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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十四話 捕虜交換式典に行ってきます!
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換を考えている以上、相手もそのように思っていると思い込んでしまっていたのだった。
「どうしてそう思うの?」
と、ティアナが尋ねた。
「平和になったからこそ、双方が互いに意識しないところで気を緩めがちになります。私も武人としてそのような策を弄することを想像すること自体耐え難いものがありますが、しかし危険性を放置しておくことはできないと思う次第です。」
本来であれば、このような危険性に気づき、注意する役割が自分たち転生者である。それをミュラーに指摘されてしまうとは。イルーナたちは恥ずかしく思うばかりだった。だが、組織であるからこそ多数の多面的思考が実現できる。多数の意志を考慮することは議論が停滞して機動性を欠くこともあり、時にはマイナスではあるけれど、今回の場合にはそれが良い方向に作用したのである。
「なるほど。その可能性はあるな。だが、ミュラー。現状では数百万将兵の中に数人を紛れ込ませることはたやすいことだ。砂漠から石を探せというようなものだぞ。」
「偽名を使用するか、本物の将兵を工作員化させて潜り込ませるか・・・・あるいは裏をかいて将兵ではなくただの旅行者をそうさせるのか。・・・可能性はいくらでもありますな。」
と、ルッツが言った。
「でも、水際で防ぐことは重要だと思うわ、ラインハルト。」
ほんの数秒間ローエングラム元帥府のbQは思考してから、顎に当てていた指を離して、
「そこで数百万の将兵をすべて検査させる準備を整えたいと思うの。それは帝国領内に入ってから抜き打ちで行うわ。このことは誰にも話さず、私たちの中だけで処理をした方がいいと思うのだけれど。」
イルーナの言葉に、ラインハルトはうなずいた。元帥府を開設するようになってから、ラインハルトは「イルーナ姉上」と公式では呼ばなくなったのである。ラインハルトとしてはいつまでもそう呼んでいたかったのだが、イルーナから「あなたも元帥になり公に姿を現すことが多くなったのだから、公私混同は避けるべきだわ。あなたが他人行儀の呼び方をしても、あなたに対する私の思いはいささかも変わりはしないわよ。」と言葉を受けたので、ラインハルトは以後イルーナをフロイレインで呼ぶことにしたのだった。むろんプライベートでは相変わらず「姉上」と言っていたのだったが。
「しかしあまりにも困難ではありませんか。」
と、前世での彼女の元教え子が言った。
「困難であろうとなかろうと、たとえ時間がいくらかかろうと、そのような危険性は未然に防ぐようにしなくては。取り返しのつかないことになってから後悔しても遅きに失する、というものよ。」
「フロイレイン・イルーナの言う通りだ。ミュラー、ルッツ。」
『はっ!』
「卿らが責任者となって臨検体制案を作成せよ。この場合最も優先すべき事項は時間ではなく確実さだ。」
『御意!』
「フ
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