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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十四話 捕虜交換式典に行ってきます!
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帝国歴487年3月2日――。

フィオーナ・フォン・エリーセル大将の指揮する艦隊3万隻は、ティアナ・フォン・ローメルド中将、ジークフリード・キルヒアイス少将、ナイトハルト・ミュラー中将、コルネリアス・ルッツ中将、ルグニカ・ウェーゼル少将、レイン・フェリル少将を補佐として、帝都オーディンを出立し、途中途中で惑星を出発した捕虜を乗せた輸送艦隊を収容しながら、一路惑星フェザーンを目指すこととなっていた。

この出立に先立って、使節団が召集されて会議室で打合せが行われている。

「今回の件は既にリヒテンラーデ、ミュッケンベルガー、そして皇帝と貴族連中の承諾を得ている。貴族共も自分の親族たちのことは気になると見える。あれだけ平民を痛めつけておいても、まだ家族を思いやる心は残っているのだな。いや、隔絶された社会だからこそそうなるのか。」
最終的な打合せが終わったのち、ラインハルトは出立するフィオーナ以下を前にして、そう冷然と述べた。
「ですが、私たちにとって今回の捕虜交換は有利になります。数百万の将兵が加わることで、帝国の、いいえ、私たちの戦力は一層強化されることとなります。」
と、フィオーナ。
今回の捕虜交換につき、積極的に動いたのはラインハルトであった。自由惑星同盟との「エル・ファシル条約」の条項にこれを盛り込んだのも、彼の提案なのである。帝国の風潮として「生きて虜囚の辱めを受けず」なのであり、反徒共に投降した捕虜は「同盟に与した裏切者」同然の扱いを受けるのであるが、ラインハルトはその全軍を麾下として引き受けることを表明して、ミュッケンベルガー元帥、エーレンベルク元帥、シュタインホフ元帥ら軍上層部、ブラウンシュヴァイク公ら貴族の了承を得たのだった。侮蔑と共に。
「何か気になることでもあるのか、ミュラー。」
一人考え込んでいるミュラーに気が付いたラインハルトが彼に尋ねた。他の者もミュラーを見た。
「いえ、小官の思い過ごしであればよいのですが・・・。」
「構わない。言ってみよ。」
「捕虜交換に際して、同盟と称する反徒共がスパイのような物をこちらに忍ばせてくる危険性を考えておりました。」
思わずラインハルトの傍らに座るイルーナ、そしてフィオーナ、ティアナはミュラーの顔を見た。原作ではラインハルト側が自由惑星同盟にリンチを工作員として送り込んだが、今回はそのような事をせず、普通の捕虜として送還することになっていた。理由としては、同盟の勢力は表面上は一枚岩であること、和平期限がまだ先である以上、そして、双方ともに国力回復に力を注がなくてはならない時期にある以上戦闘はおこらないはずであり、同盟を刺激する必要性は薄いこと、既にアレーナが同盟全土に情報網を構築してしまっていること、などがある。だからというわけではないが、自分たちがまっとうにこの捕虜交
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