第3章:再会、繋がる絆
閑話8「闇の書・後」
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ていないから、聞いても無駄だと判断されたみたい。
....本当に、この力は一体なんなのだろう。
“祈り”を現実に反映させてるみたいだけど...。
「『...ねぇ、シュライン。教えてくれないの?』」
〈『教えるもなにも、以前に教えた事が全てです。』〉
念話でシュラインに聞いてみるも、そんな返答しかない。
シュラインから以前聞いたのは、祈りを現実に反映させる事というだけ。
...でも、それにしては...。
「『強力すぎない?』」
〈『...それだけ、マスターの想いが強かったのです。また、私は祈祷型のデバイス。マスターのレアスキルの力を強化する事も可能です。』〉
「『そっか...。』」
そこまで、私の想いが強かったのかと疑問は残るけど、一応それで納得する。
「さて、と...。」
「あれ?司さん、帰っちゃうの?」
席を立つと、店の手伝いをしていたなのはちゃんにそう言われる。
「うん。ここでのんびりするのもいいけど、家でゆっくりするんだ。」
「そうなんだ...。じゃあ、はいこれ。」
そういってなのはちゃんからシュークリームの箱を渡される。
「お母さんから。皆頑張ってきたからだって。」
「...うん。ありがとう。」
“頑張ってきた”というのは闇の書の事だろう。あの後、なのはちゃんの家族や、すずかちゃん、アリサちゃんとか一部の人達には魔法の事を話したからね。
断る理由もないので、しっかりと受け取っておく。
「じゃあね。」
「はい!また来てね!」
なのはちゃんの笑顔に見送られながら、私は帰路に就く。
“平和”だと実感できる、何事もない日常に帰ってきた。
私が“拒絶”した犠牲のある事件の終焉を、私たちは回避する事ができた。
―――だけど....。
「....っ、はぁっ、はぁっ、はぁっ...!」
夜中の時間、私は飛び起きる。
体中に冷や汗を掻き、私は動悸を抑えるように呼吸を整える。
「....また....。」
私がこうやって飛び起きる理由は、先日の闇の書との戦い。
あの時の追い詰められた事が、私のトラウマとなっているのだろう。
「(...“勝てない”...。)」
夢の中で、私はひたすらそう思いながら闇の書に追い詰められていく。
そして、いつも最後は首を掴まれ、冷たく見つめられながら折られて目が覚めるのだ。
「っ.....。」
体が震える。...一歩間違えればあそこで死んでいたかもしれないのだから。
「(シュラインも、医務室の人も落ち着けば治るって言ってた...けど...。)」
度々夢に出てき
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