第3章:再会、繋がる絆
閑話8「闇の書・後」
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.再び、目を覚ます。
今度は直前の事は覚えている。...私がお母さんに恐怖した事も。
多分、あれは私のトラウマが掘り起こされたようなものなのだろう。
だから、私はあそこまで怯えていたのだと思う。それこそ、気を失う程。
「....落ち着いた?」
「...お母...さん...。」
ずっと看病してたのだろうか。お母さんが話しかけてくる。
...今度は、大丈夫だった。
「ごめん、なさい...。」
「何を謝ってるのよ...。それより、大丈夫なの?」
「...なんとか...。」
それでも、まだ恐怖は拭いきれていない。
恐る恐る私は話すけど、お母さんは優しく語り掛けてくる。
―――“優しく”....?
「.....司?」
「はっ..!?...な、なんでもないよ...。」
何か違和感を感じたけど、今は気にしないでおく。
「本当に大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。....ちょっと、夢見が悪かっただけ...。」
適当に言い訳をしておく。
「そう...。なら、早く朝食を食べましょう。」
「うん。」
お母さんと一緒にリビングへと降り、そこにいるお父さんと一緒に朝食を食べる。
「大丈夫だったか?母さんから聞いたが、相当怯えたような様子だったが...。」
「だ、大丈夫だよ...。」
お母さんと同じように、お父さんも“優しく”言ってくれる。
「......。」
その後は、軽く雑談しながら、朝食を食べ終わり、朝の支度も終わった。
まるで、何気ない日常のように幸せで...。
―――....“幸せ”....?
「....ぁ.....。」
...なんとなく自分の部屋に戻って物思いに耽った所で、気づく。
....気づいて、しまう。
―――あんたなんかに....幸せなる権利なんてないわよ....!
「ぁぁ....ぁああ.....!」
そう。この夢は、私が望んだ夢だ。
私が、“こうであれば幸せだろう”と思ったからできた夢だ。
“幸せ”になれる。そんな夢...なんだ...!
「ぁああああああああ!!」
だけど、それはダメだ。許されない。赦しては、いけない...。
「私が...私なんかが...!」
私に幸せになる資格はない。だから、だから...!
「こんな夢なんて、見ていられない!だから....シュライン!」
―――この夢を...“拒絶”する。
「“セイント・エクスプロージョン”!!」
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