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超速閃空コスモソード
番外編 残された姫君達
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 ――星霜歴2028年、惑星アースグランド。かつて「地球」と呼ばれていたこの星は今、コズミシア星間連合の中枢として、全宇宙を率いる存在となっていた。

 その代表国家の一つ「ジャパン・エンパイア」は、国粋主義に傾倒した国として有名であり、独自の文化と矜恃を深く重んじている。
 配備されているコスモソードも基礎技術こそコズミシア製のものだが、それ以外はネジ一本に至るまで、全て自国の製品で製造しているという徹底ぶりであった。

 そして。
 君主たる征夷大将軍への忠誠を絶対とする、その国には――強く気高く、そして美しい女性パイロットがいた。

 コズミシアの剣たる高速宇宙戦闘機「コスモソード」を自在に操り、軍内部での模擬戦では常勝無敗。圧倒的――否、絶対的なまでの強さと美貌を併せ持つ彼女の存在は、コズミシア中に知れ渡っていた。

「おい、見ろよあれ……!」
「あれがあの、ジャパン・エンパイアのお姫様か……」

 ――惑星アースグランド、へレンズシティ航空基地。コズミシア星間連合空軍の中枢とも云うべき、その基地には無数のコスモソードが配備されている。
 純白の塗装で統一されたその内の一機から、蝶の如く軽やかに舞い降りた絶世の美女に、周囲の誰もが目を奪われていた。その圧倒的存在感に、彼女より階級の高い軍人すらも息を飲んでいる。

 ジャパン・エンパイア国防軍より出向し、二年に渡りコズミシア星間連合軍に所属している若き女性パイロット――辻霧(つじきり)マイ中尉。
 武家の名門・辻霧家の出身であり、当時齢十四にして、コスモソードの正規パイロットに選ばれた才媛。

 東方の国ならではの、エキゾチックな黒髪はボブカットに切り揃えられ、白く艶やかな肌との対比になっている。強い意志を感じさせる切れ目の瞳や、彫像の如く整えられた美貌は、周囲の男達の視線を独占していた。

 UI戦争により優秀なパイロットの多くが戦死し、女性パイロットが増えてきたと言っても、コズミシア星間連合軍の中心であるこの基地においては、まだまだ男性が多数を占めている。
 彼らの好色の眼差しに晒されても、彼女は眉一つ動かすことなく悠然と基地内を歩いていた。訓練飛行を終えた彼女の頬を伝う汗の一滴すらも、男達の目を惹き付けている。
 肢体に密着し、ボディラインを露わにしているパイロットスーツも、彼女の均整の取れたプロポーションを遺憾無く強調していた。

「やっぱ……ツジキリ中尉、最高だよなァ……。確かジャパン・エンパイアの武家って、ガチガチの血統主義なんだろ? いいよなー、向こうの貴族様はよ。あんな激マブとヤれるんだぜ?」
「でも聞いた話じゃあ、バッサバッサと縁談を断り続けてるってハナシだ。コズミシアの高官からの誘いだけじゃなく、上級武家からの見合いまで袖にして
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