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豹頭王異伝
邂逅
暗黒の闇
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(古代機械が明確に命令を拒否するとは前代未聞、3千年の歴史を誇る聖王家史上初の出来事だ!
 《マスター》とは主人を意味すると思っていたが、違うのだろうか?)
(私は初めて御目に掛かりますが、生意気な機械だ!
 閉じた空間も遙かに及ばぬ瞬間移動の術を独り占めの上、こんな差別をするんですか!?)

(訳の分からない理屈で抵抗はするけど、一応は命令に従っていたんだよ!
 生涯初とは言わないが実に画期的だね、権限を越える等と言われたのは初めてだ!!)
(《ファイナル・マスター》と《セカンド・マスター》ってのは一体、何の事でしょう?
 同じ《マスター》でもえらい違いだ、これじゃ只の助手扱いじゃないですか!)

(極めて興味深い未知の事象と言いたい所だが、流石にそんな余裕は無いな。
 こんな反応は今まで生じた例が無い、私もヨナも本当の所はわからない事だらけなのだよ。
 先日ヤーンの塔から転移した事で何か、行動を拘束する制約が解除されたのかもしれない。
 受動待機状態から活動状態への移行、休眠状態から覚醒状態への変化が生じたとも思えるが)

(何だか魔道師ギルドの最終決定権を持つ大導師と、魔道士の塔に出向中の2級魔道士みたいだ)
 魔道師の塔が構成員に課す束縛と掟に疑問を抱き、秘密裏に研鑽を積んだ実力者の本音。
 比較を絶する超科学文明に対し魔道師の抱く競争心、反感が共鳴し思わず閃いた思考が洩れる。
 想定外の事態に混乱する接触心話が瞬時に凍り付き、時が停まった。

(すみません、ナリス様!
 とんでもない事を、申し上げてしまいました!!)
 身も蓋も無く真実を言い当ててしまった魔道師、ヴァレリウスは驚愕。
 本能的な確信を糊塗する事も出来ず咄嗟に閃いた思考、心話が狼狽の極に在る内心を暴露。
 アルド・ナリスも痛烈な一撃を受け極度に動揺、感情の嵐は魂の従者に劣らぬが。
 己の直感に基き直言した魔道師を咎めず、冷徹な思考者に徹し断固として謝罪を遮った。

(実に的確な例えだ、私が長年に渡り抱いていた疑惑を見事に表現している。
 良く言ってくれた、感謝するぞ)
 ヴァレリウスは慌てて、見え透いた言い訳を並べようと焦ったが。
 ヨナも論理的な思考を閃かせ、掌に力を籠めた為に辛うじて惑乱を抑え込む。

(真実を怖れず現実を直視しなければなりませんが、断定するには情報が不足しています。
 ナリス様、古代機械に質問していただけますか。
 ファイナル・マスターとセカンド・マスターの相違点、資格条件や権限範囲を説明せよと。
 権限の適用範囲と該当する条件、認定する方法、必要とされる資格。
 古代機械の反応を見る限り、ナリス様の質問は無視せず却下の根拠を説明しています。
 少しでも多くの情報、判断材料を引き出し検討す
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