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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第70話:人を褒めるときは大きな声で。悪口を言うときには、より大きな声で!
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長くなりそうだわ。

「あと数日もすればホザック王国からVIPが来るでしょ。それなのに我が王宮は殺風景極まりない。以前から口を酸っぱくして言ってましたが、この辺で絵画などを大量に仕入れるべきです」
「ふぅ……その話ねぇ」

「リュカさんが乗り気じゃ無いのは解ってます。でも今後の事を考えても王宮内を賑やかにするのは、重要事項だと思います。今までは親しい連中しか来なかったから、何方も気にしなかったでしょうけど、我が国の事……我が王家の事を知らない人々が来る様になるのであれば、見た目を華やかにする必要があるでしょう」

「う〜ん……ウルフの言いたい事は解るよ。でもさぁ……」
「俺もリュカさんの言いたい事は解ってます。リュカさんは画商を信用してないんでしょ? こちらに絵画の知識が無いのを良い事に、舌先三寸で無価値の絵を高値で売りつけられるかもしれないって思ってるんでしょ?」

「うん、まぁね」
「だから俺も考えました。商魂逞しい画商に話を持ちかけるのでは無く、画家の卵を今の内に取り込んでしまいましょう」
画家の卵?

「……つまり如何いう事?」
「芸術高等学校で絵を描いてる者から直接買い取るんです。勿論、相手に絵の説明や売り込みをさせないで、リュカさんが直感で良いなと思った作品を買い取るんです。どうせ授業等の課題として描かされた絵でしょうから、値段はリュカさんの価値観次第で決めて良いと思います。相手が『その値段じゃ安い』と言うのなら、買うのを止めれば良いだけッスからね」

「なるほど……でも「取り込む」ってのは如何いう意味?」
「簡単っすよ。連中も完成してる絵が1枚って事は無いでしょうから、何枚か見た中で作風が気に入った作家が居れば、今の内に宮廷画家にしちゃえば良いんです」
なるほど……そうすればウルフ閣下の仕事も減り、政務にだけ集中できるわけですね。

「なるほど……まだ学生のうちに引き抜きをしてしまおうって事か?」
「そうですよ。学生だからって腕前はプロと変わりありませんからね」
リュカ様とウルフ閣下が王宮内に飾る絵画の事で討議を続けている。前向きで素晴らしい提案だと私は思うのだけれども、何故か悪巧みをしてるような感じを否めない。

「お前アレだろう……税金を使って気になってる画家の卵を飼おうって魂胆だろ!」
「否定はしません。ですが俺も高給取りなんで、一人や二人くらいのパトロンにはなれます。第一リュカさんが気に入った画家に対して、金を出して戴ければ宜しいんです。俺の意見は皆無ですよ」

「口が上手いねぇ……悪い大人に育ったもんだ(笑)」
「師匠の教えのお陰です。大変感謝しております」
全くだ……彼がこの国に来た時は、まだ12.3歳の子供だったのに。

「分かったよ、じゃぁ善は急げだ。早速芸術高等学
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