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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
赤い閃光
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高笑いをしながら突如、クラディールの体から謎の微粒子(ナノマシン)が湧き出し、みるみると全身を覆い尽くしていく。次いで、クラディールの痩せ細った体は異なる存在に変化した。

「「ッ!?」」

キリトとアスナの驚愕と恐怖が同時に湧き出た。

変化し終えた後、2人の眼に映ったのはもはやクラディールではなかった。

全身黄緑色の体が細長く、両腕が鎌状に変化し、多数の棘がある。頭部には2つの複眼と大顎。触角は毛髪状で細長く、細長い2本の脚。

脚と腕、顔の位置からして人間と同じ。人型カマキリの形をしたメタヴァーミン__《マンティス・ヴァーミン》。

「ウハハハハハハハハ!!」

完全なモンスターに変異したクラディールは、もう何も恐れるものなどない、といった感じで堂々とキリト達に向かって哄笑(こうしょう)した。

「な、何あれ!?」

「クラディールが……モンスターに、変身した!?」

クラディールの頭上にあったオレンジカーソルもHPバーも、モンスター化した途端に消滅してしまい、目の前で起きている状況を呑み込むめなかった。

この世界には、プレイヤーがモンスターに変身できるようなスキルもアイテムも存在しない。いや、それ以前に、クラディールの変身したモンスターは、前にキリトが中層で遭遇した昆虫モンスターと非常によく似ていた。

アスナは震える唇を強張らせるように動かしながら、訊く。

「クラディール……あなた、プレイヤーじゃなかったの?」

「……そうとも言えるし……そうでないとも言える」

メタヴァーミン化したクラディールからは、先ほどまでとは異なる禍々しいオーラが放たれ、そのオーラに蹴落とされたアスナは自分の足が(すく)んでいることにようやく気づいた。

しかし、それでもキリトを守ろうとその場から一歩も動こうとせず、細剣を構えて戦闘に備えていた。

「アアア甘ぇーーんだよ副団長様アアアアア!!」

狂気の叫びを放ちながら、マンティス・ヴァーミンは両手の鎌を何の(ため)()いもなく振り下ろそうとした。

__その時。

「グハッ!!」

アスナを攻撃しようとしたカマキリ怪人が突如、後方へ吹っ飛ばされた。

地面に倒れたと同時に__《閃光》が見えた。

と言っても__アスナのことではない。

「あれは……?」

アスナと未だ体を動かせないキリトの前に、人影が一陣の疾風のように現れた。

キリトにとって、Y字型の角を持つ赤い鎧の戦士の姿を目の当たりにしたのは、これで二度目だ。

首をくるりと後ろに回したスピードスターは、キリトとアスナに眼を向けた。アスナは初めてお眼にかかったスピードスターに対して、眼を丸くしながら見つめた。

「……あなたが……《赤いス
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