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リリなのinボクらの太陽サーガ
ベルセルク
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っていた。しかしそれは正面から力づくで挑む場合の話であり、ステルスで内側に入り込むならば、まだ何とかなる範囲だった。

「さて、普通なら排水溝なりダクトなりを通って潜入するんだろうけど、せっかくだし僕達はアレを使おうと思う」

「アレ? ……まさか……!」

またか、と言いたげな表情のなのはの前で、ジャンゴが取り出したのは……、

「じゃじゃん、ダンボール箱!」

「やっぱりぃ〜……!」

マキナからもらったピンク色の大きなダンボール箱を掲げるジャンゴの姿に、なのははマザーベースで見た謎のノリを思い出して頭を抱えるのだった。





「!」

基地の周囲を巡回していた一体のスケルトンが、非常口付近についさっきまでそこに無かった物を見つけ、確認のために近付いていく。それは……ラブダンボールだった。

「?」

周りを伺いながら調べた事で、それが何の変哲もないダンボールであるという結論を出したスケルトンは、思考が残っていない故に持ち上げて中を調べる真似をせずに元の場所へ戻ろうとしてしまう。そしてスケルトンがダンボールに背を向けた途端、ダンボールから4本の足が伸びて歩き出し、そぉ〜っと非常口の扉を開けて中へ入って行った。

「よし、上手くいった!」

「ダンボールを使う度に思うんだけど、なんでこんな物で上手くいっちゃうの……」

「ハウンドとかなら多分臭いでバレるけど、スケルトンみたいに大した思考能力が無い奴が相手なら人間以上に通用するから、やっぱりダンボールは万能だな。戦士の必需品だ!」

「流石の私も、ここまで有用性を示されたらマキナちゃん達みたいにダンボール愛に染まりそうだよ……」

信念が揺らぎかけている事になのはが若干悔しく思い、ジャンゴは物陰から施設内部の様子を伺う。外を守っている事で中にモンスターの姿は無かったが、代わりに多くのアンデッド……否、スカルズの姿があった。ここにいるのは全身を岩状に覆って防御力が高いタイプで、戦闘になれば必然的に長期戦になってしまい、その間に基地のあらゆる所から増援を呼ばれるのは想像に難くなかった。

「今の内に倒しておきたい気持ちもあるけど、後で生成装置ごと爆弾で一網打尽にするから、わざわざ倒さなくても良いよね?」

「だね、目的地までの障害を増やすような危険を冒してまで戦わなくてもいいか。倒して経験値が稼げる訳でもないし」

とりあえずスカルズを見つけたらその状況に応じて対処する事を取り決め、二人は近未来的な内装の基地を忍び歩く。時々管理局の技術が垣間見られる設備があると、その度になのはは悲しそうな目をする。彼女の古巣がこんな事に手を貸していた、という事実に少なからずショックを受けているのだとジャンゴは思い、潜入の傍らで彼女の精神を案じた
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