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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
深淵-アビス-part2/奈落の底
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「さあさあ、じゃんじゃん飲もうじゃないか!乾ぱーーーい!!」
「「「乾ぱーーーい!!」」」
魅惑の妖精亭は、舞台成功の打ち上げで貸切となっていて、大盛り上がりの様子だった。
しかし、盛り上がっているのは妖精亭の人たちとジュリオのみ。さっきからジュリオは酒の勢いでやたらと乾杯ばかりしている。
「いやぁ、なんていい店なんだ!そう思わないかい、ルイズ!?」
「え、ええ…そう思うけど、…さっきからあなた近すぎよ!」
「いいじゃないか、君と僕の仲だろう?」
この打ち上げが始まって早々、ジュリオは真っ先にルイズを自分の座席のすぐ脇に座らせ、甘いマスクを利用してはルイズににじり寄っていた。押し出すなどの抵抗はするものの、イケメンに耐性のないルイズは顔を思わず赤らめて力が抜けてしまう。
「いいなぁ、ルイズちゃん。ジュリオさん、私たちもいるんだから!はい、お酌」
「あぁ、ごめんごめん。ルイズに見とれすぎてたみたいだ」
こんないい男とお話できるきっかけなどめったにない。妖精さんたちも張り切ってジュリオからの株を上げようと必死だ。
「………ち」
そんなジュリオを恨めしげに、ギーシュ・マリコルヌ・レイナールの三人は別席から睨み付けていた。さっきからこちらに奉仕してくれる妖精さんが一人もいない。それでいて全員があちらのほうに集中している。キュルケもタバサもここにはおらず、せっかくのウハウハ気分が台無しだ。
「まったく、僕という紳士がいながら、ここの妖精さんたちは見る目がないのかね」
「僕は別にかまいやしないが、…なんだろう。すさまじく腹が立っているよ」
ギーシュとレイナールは嫉妬の念をつみ隠さす口にしている。
「なんだよ、そんなにイケメンがいいのか?生まれながらいい顔をしている男がそんなにいいのか」
マリコルヌに至ってはほかの二人よりも重い。ギーシュは残念な部分が大きすぎるが確かにいけているし、レイナールもそれなりだ。だが自分はどうだ?いつしか脂肪の塊のような体系になってしまって…肥満については自分の食生活における怠慢が原因だというのに、この一種の不平等さに満ちた運命を呪いたくなっていた。
「こらこら、男の嫉妬は醜いわよん」
しかし、そんな彼らについに誰かの救いの手が差し伸べられた。やった!ついに美女が来てくれたのか!?と三人は期待を寄せた…

…が、天へと昇る気持ちはすぐに地に落ちた。

「そ〜んなに構ってほしいのなら、あたしが相手をしてあげるわよん♪」

目の前に現れた、いつもどおりオネェ言葉を話しながら思春期少年たちに迫るスカロンによって、その日の彼らはこの日自分たちに安息の時が来ないことを瞬時に悟った。

「だからジュリオ、そんなに引き寄せないでって…!」
そりゃ、女の子だから整った顔そのものは嫌いではないが、こうも積極
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