暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
深淵-アビス-part2/奈落の底
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的に言い寄られると帰って気が滅入るだけ。やたら自分によってくるジュリオを、ルイズはなんとか跳ね除けて席を立った。
サイトを探して、彼と適当に話して……べ、別にあの馬鹿犬の方がいいってわけじゃないんだからね!?ただ、その…ご主人様が使い魔をいつまでもほうっておいたら、かわいそうだし…
とか心の中で適当な言い訳を考えながら彼女はサイトの姿を探す。
…が、どうしてかサイトの姿が見当たらない。
「サイト?」
どこへ行ったのだ?ルイズはあたりをきょろきょろ見渡しても、やはり彼の姿は見当たらない。そういえばハルナも…と思ったときだった。
まさか、またか!!
またしても嫉妬の念に駆られたルイズは理想の妖精とは程遠い憤怒の表情に一変、そのときの自分の表情に恐れおののく周囲の視線を無視し、サイトを探しに向かった。


そのサイトはというと、屋根裏部屋のベッドに寝転がっていた。
「ふぅ…」
「どうした相棒。せっかくの打ち上げだってのに、なんだってこんなとこに?」
壁に立てかけてられているデルフから指摘を受け、サイトは体を起こした。
「いや、なんだか気分が乗らなくってさ」
本来の調子のいい笑みがそこにない。デルフは彼が変身して戦っているときも含め、共に過ごしてきた経験からの勘で当ててみる。
「…まだ気にしてんのか?あの騎士の娘っ子のことが」
「…まぁな」
どうやらサイトは、まだミシェルの死を過去のことにできていなかった。まだ彼女がなくなってからほとんど日が経過していない。近しい人の死の経験はあっても、どうしても慣れそうにないサイトは引きずるばかりだ。いや…引きずらないほうがおかしいかもしれない。
『ミシェルの件は、俺にも責任がある。サイト、今の俺たちは一心同体だ。一人で思いつめるなよ?』
頭の中に、ゼロが慰めの言葉をかけてくる。
「大丈夫だ、ゼロ。ただ…嫌な野郎ばっかり良い思いをする現実にイラついてるんだ」
『…そうだな。よくある話だが、納得できなくて当然だ』
地球を狙ってきた侵略者たちと同レベルの邪悪さで己の母国を裏切り、ミシェルやアニエスの人生を狂わせ、あまつさえミシェルを目の前で殺した。そんな男のいいようにされ、自分たちの手で最上級の結末を迎えられなかった。自分たちにはそれをつかみ取れるだけの力も心もあるはずだった。それができなかったから、自分に苛立ちを覚えていた。
「平賀君」
そんなときだった。ハルナがサイトのいる屋根裏部屋に上ってきたのは。
「ハルナ?どうしたんだよ。打ち上げは?」
「平賀君の姿が見えなかったから、ちょっと気になって抜けてきたの。隣、いい?」
「あ、うん…」
特に断る理由はないので隣に座らせたが、思ってみれば女の子と二人きりの状況に気がついて、奇妙な緊張感が生まれる。逆に、ルイズとはよく遠慮のない
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