暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
深淵-アビス-part1/安息無き戦士
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「ぐぅ…」
アスカは森の中で、ダイナの姿から元の人間の姿に戻っていた。周囲を確認し、ここがどこかの森の中であることが想像がつく。皆の姿が見当たらない。
皆は無事だろうか。あの炎の空賊たちの船はティファニアたちを連れて行ってくれただろうか。
そして何より…あいつは?
森の中を歩いて、アスカは仲間たちを探しに向かう。
しばらく歩くと、誰かが倒れているのが目に入った。
「シュウ!」
そこに倒れていたのは、なんとシュウだった。駆け寄って彼を起こそうとするが、その時だった。アスカの前に白い炎が発生し、彼の行く手を阻んでしまう。
「そいつは、俺の獲物だ。手を出さないでもらおうか」
聞き覚えのある声が、炎の向こうで倒れているシュウのさらに向こうの闇の中から聞こえてきた。闇の中からさらに、一人の巨漢が姿を見せる。
「てめえ…」
奴の姿を直接見たのは初めてだ。だが、アスカはその男はが誰なのかすぐに想像できた。
こいつは、あの時の黒いウルトラマンだ!
「お前こそそいつに触んな!どうせロクでもねぇこと企んでるんだろ!」
「企む?俺はただ、少しばかり忘れていた仕事をやり直そうとしていただけだ。こいつとの殺し合いは仕事なんぞ忘れるほど楽しくて仕方がなかったからな」
アスカの怒鳴り声を流し、メンヌヴィルは意識のないシュウを肩に担ぐ。シェフィールドからの、虚無の担い手とその使い魔を誘拐…難しい場合は抹殺せよと言う依頼をようやく思い出したらしい。
「そろそろ戻らねば依頼主がうるさいからな。こいつはもらっていくぞ」
メンヌヴィルがそこまで言ったところで、彼の背後から奇妙な現象が発生する。後ろの空間が渦を巻くようにグニャリとねじ曲がり出した。その中に、シュウを担いだままメンヌヴィルは飛び込んでいく。
「待ちやがれ!」
それを見逃すアスカではなかった。メンヌヴィルの炎など意に返さず、自らもその歪みの中に飛び込む。アスカも飲み込んだあと、その歪みは跡形もなく消え去った。



あの雨の日…過去の悪事を暴露されたリッシュモンが逃亡した矢先、何者かに暗殺された。それが何かのきっかけとなったのか、彼のように悪事に身を染めていた貴族たちは、アンリエッタ主導の作戦によって全てに至らなかったものの、大半が逮捕・最悪の場合は処刑された。
サイトはあの日の雨の夜の中、ひとつの悲劇を目の当たりにし、危うく心が真っ黒に塗りつぶされるところだった。かつての経験のおかげだろうか、日を待たずになんとか立ち直ることができた。
怪獣もゼロに倒され、町の人たちに平穏がまた戻ってくる。
しかし、まだ彼らに平穏は戻らない。彼らの戦いはまだ、始まったばかりなのだから。

と、その前に…

「ここなら、しばしの時間を稼げよう」
「王子、私はやはり帝国に戻りましょう。私が戻りさ
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