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SECOND
第一部
第二章
第十話『気を付けておいて』
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世界に呼んでくれてありがとうね。」
 そう言ってまどかは身を乗り出すと、陽子に向かって握手をしようとその右手を伸ばした。だが固まった陽子がそれに応えられない事が分かっている翠は体をよじらせてまで身を乗り出し、まるで横から奪い取るように右手でその手を取ってまどかと握手をした。
 すると二人が手を合わせた途端、二人の顔から笑顔が消え互いに怪訝な表情で相手を見合った。そして二人はおもむろに手を離すと、なんだか不思議そうに自分の手を確かめた。
ほむら「どうしたのまどか?翠、あなたまどかに何かしたの?!」
翠  「いえ、私は何も…」
まどか「…うんうん、何でもないよほむらちゃん。ちょっと静電気が走ったみたい…」
ほむら「そお…なら、いいけど…」
 マミはなんだかおかしくなったその場の雰囲気を変えに行った。
マミ 「紅茶が冷めてしまうわ。今日は一番いいダージリンを入れたんですからね。さあ皆さん、ケーキも召し上がれ。」
 まどかもすぐにマミの意を汲み取って続く。
まどか「わーい、マミさんのケーキ大好き。前の世界の時から大好きだよ、えへへ。」
 ほむらは陽子への追及を続けたかったが、さすがに空気を読んで今は諦める事にした。そして少し茶目っ気を出して得意気にまどかに蘊蓄を披露した。
ほむら「ねえ知ってる、まどか。このケーキってマミが自分で作っているのよ。」
まどか「うん、知ってるよ。マミさんのご両親ってパティシエだったんでしょ。」
ほむら「えっええ、そうよ…」
 ほむらはちょっと悔しかった。前の世界の時からマミのケーキは自作のもので、何度もその時間を繰り返した自分の方がその事実を知らなかった事が。
 和やかな雰囲気になって暫くすると、硬直が解けた陽子が口を開いた。
陽子 「ねえ翠ちゃん、私今晩泊まる所がないんだぁ。今夜だけ泊めてくれないかなぁ?」
翠  「えっ?そうなの…そっかそうだよね、魔法少女になったんだものね。いいよ、今夜だけって言わずにキュゥべえがお部屋を用意してくれるまでいてくれて。」
陽子 「うん、ありがとう。」
 そのやり取りを聞いていたまどかが小さく手を挙げて言った。
まどか「へへ、あのー私も今夜、って言うかこれからって言うか、泊まるとこないかなーって。」
マミ 「空いている部屋ならあるわよ。」
陽子 「あの私…今は無理ですけど、まどかさんをお呼びした責任がありますから…」
 ほむらが怒ったように割って入る。
ほむら「何言ってるの!まどかは私のうちに来ればいいでしょ。ずっと私の所にいればいいのよ。」
 それでお茶会はお開きとなった。

  ?

 翠の部屋の寝室で、一緒のベッドに並んで寝ている翠と陽子。陽子が翠に話し掛ける。
陽子 「翠ちゃん、話聞いてくれる?」
翠  「うん、いいよ。なあに?
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