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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第59話:猫の瞳は深夜に輝く。
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するのは人……
その人が気を抜いてしまえば、厳重なシステムなんて無いと同じだ。

さてそろそろ金庫破りを実行しましょうかね……
折角教えてもらったリュケイロム国王陛下の暗所番号を使ってね(笑)
もうニヤニヤが止まらない私は、強敵だった金庫の扉に近付いて青のダイヤルに手をかける。

そして愛しのビアンカ王妃陛下のスリーサイズを、青のダイヤルで右・左・右と合わせていく。
3つとも合わせ終わると扉から“カチャン”と音がした。
これで解錠成功したらしい。

次に金庫の扉の中央に配置されている大きなハンドルに手をかけた。
どちらに回すのが正解か判らないが、通常は時計回りに回すのが正解だ。
しかしあの国王の性格の悪さから、万が一という可能性も有るので試しに反時計回りにハンドルを回してみる。

しかし動かない。
やはり時計回りが正解のようだ。
これで心置きなくハンドルを回すことが出来るわ。

さて時計回りにハンドルを5回転ほどさせると、それ以上回らなくなり金庫室御開帳の時間がやって参りました!
私は回しきったハンドルを両手で掴むと、全体重をかけて金庫の扉を手前に引き寄せます。
“グググッ”という鈍い音を発しながら、金庫の扉は手前方向に開いて行く。

ある程度開いたので、早速金庫室へと侵入しようと入り口正面に移動した……が、金庫室が無い。
扉を開いて現れたのは奥行き30センチメートルくらいの棚が7段。
その棚には殆ど何も無く、私の胸の高さくらいの段に1万(ゴールド)の札束が一つと、噂で聞いたことが有る“王家の証”の絵が一枚。

絵を取り裏面を見ると……
『はい。残念でした(笑) 金庫破りは大失敗でーす? でも3年間の努力に免じて、1万(ゴールド)のお小遣いを恵んであげよう☆ 有難く受け取り、また明日から我が王家にひれ伏しなさい。あははははー』と書いてあった。

そ、そんな馬鹿な……
今夜金庫破りをすることがバレていた!?
いやそれよりも、『3年間の努力』と書かれているって事は、私がこの国に来た時から、私が泥棒である事が判っていたと言うことか!?

そんなこと有る訳無い!
これは何かのハッタリだ……
しかし今回は失敗した以上、この場からは逃げなければならない!

この金は……いや、持って帰ったら足が付くに違いない。
何も盗らず金庫を閉めて逃げた方が良いだろう。
私は慌てて重い金庫の扉を閉め始めた。
すると……

「あれ〜、何も盗らずに閉めちゃうのぉ?」
「俺等の掌で踊らされてたことに気付いたから、絶望感でいっぱいなんだよ」
と、背後から何者かの声が聞こえた!?

吃驚して振り返ると、そこには国王と秘書官がニヤニヤしながら佇んでいた。
全然気が付かなかった……
背後をとられ
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