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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
第36話
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〜遊撃士協会・グランセル支部〜



「ただいま〜!」

「おお、戻ってきたか。」

「皆さん、お帰りなさい。」

「お帰りなさい、ママ!」

エステル達がギルドに戻るとジン達が出迎えてくれた。

「ご苦労さまでした。報告書は渡せたようですね。」

「うん、そっちは問題なく。」

「つい先ほど、王国軍から報酬の振り込みがありました。取り急ぎ、それをお渡しておきましょう。」

そしてエルナンはエステル達に報酬を受け取った。

「さすがシード中佐。仕事が早いわね。それよりも……ボース地方に特務兵どもが現れたって聞いたんだけど。」

「やはり離宮の方にも連絡が行ったみたいですね。ちょうどその話をしていたところなんです。」

エステルの言葉に頷いたエルナンは真剣な表情で言った。

「発見したのはギルドの人間らしいな?」

「ええ……。シェラザードさんたちです。」

アガットの疑問にエルナンは頷いて答えた。

「シェラ姉たちが!?」

特務兵達を見つけたのがシェラザード達とわかったエステルは驚いた。

「ラヴェンヌ廃坑の内部でアジトを発見したそうです。生憎(あいにく)、すでに引き払った後だったみたいですが……」

「ラヴェンヌ廃坑の内部……空賊たちと戦った場所か。」

「チッ、盲点だったな……。引き払ったってことはすでに別の地方に行ったのか?」

エルナンの話にエステルは昔を思い出し、アガットは続きを促した。

「それが、ボース地方の各地で特務兵の姿が目撃されたらしく……。現在、国境師団が総力を挙げて調査をしているみたいですね。」

「そ、そうなんだ……。あたしたちもボース地方に助っ人に行った方がいいのかな?」

「いえ、陽動の可能性もあります。現地の状況が分かるまで迂闊に動かない方がいいでしょう。それにどうやら……『結社』も動いているようです。」

「え……!」

「なんだと……!」

(『結社』?……一体何の話かしら……?)

エルナンの説明にエステル達が驚いている中、唯一人レンは聞き覚えのない言葉に首を傾げていた。



「シェラザードさんたちが廃坑のアジトで遭遇したそうです。『道化師カンパネルラ』―――『執行者』の1人みたいですね。」

「フン、また新顔か……」

(……ふ〜ん……どうやらクーデター事件みたいにまだリベールで暗躍している組織がいるみたいね……)

エルナンの話にアガットは鼻をならし、レンは心の中で考えていた。

「更にアジトで奇妙なものが発見されたそうです。まずは『オルグイユ』という導力駆動の乗物の設計図……そして『お茶会』という符牒で語られた謎の計画メモです。」

「『オルグイユ』『お茶会』……。
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