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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
外伝〜それぞれの動き〜後篇
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え……アストライアお姉様があのエステルって娘に!?



ああ……その証拠にエステルは”天秤の十字架(リブラクルース)”を扱え、”正義の大女神”の力も解放できる。それがサティアが宿っている証拠だ。



「女神の子孫でありながら、女神の末裔である事を気にせず、そしてお姉様―――女神の魂を宿し、多くの異種族達に加えて、果ては女神や魔神の協力も取り付けている人間、か。”感情”がなければ、そのような奇蹟、絶対に起こらないでしょうね。みんなが手を取り合う世界を目指す為にも、私は”人”自身をもっとよく知るべきだったのね……」

屋敷に泊めてもらった際、セリカから聞いたある事情を思い出したアイドスは目を閉じて考え込み

「光と闇、両方の気配を感じさせる黒髪のあの子………彼に待ち受けている多くの人々との出会いや別れ、そして多くの仲間達と共に立ち向かう”運命”……………なら”人”を知る為に私は―――――」

そして決意の表情になって夜空を見上げたその時

「……まだ起きてらっしゃったんですね。」

シュリがアイドスに近づいてきた。



「確か貴女はシュリ……だったわね。私に何か用かしら?」

「え、えっと、その……アイドス様はこれからどうなさるのか、気になっていまして……」

「少しの間だけは貴方達と行動するけど、近い未来貴方達と別れて行動するつもりよ。」

「え……ど、どうしてですか?」

アイドスの答えを聞いたシュリは驚きの表情で尋ねた。



「お姉様の容姿や声を持つ私が傍にいても、セリカもそうだしお姉様の事を良く知る貴女達も辛いでしょう?それにお姉様が愛するセリカを取るつもりなんてないわ。」

「アイドス様……」

アイドスの答えを聞いたシュリは辛そうな表情をした。

「心配しなくても私もこれからの自分が進む道を見つけているわ。」

「え……ど、どのような道を進むおつもりなのですか?」

「フフ、”人”を知り、お姉様のように心から信頼できる人達を見つける為に、大いなる運命が待ち受け、多くの仲間達と共に立ち向かう”人”と共に行動するだけよ。」

そして戸惑いの表情をしているシュリにアイドスは優しげな微笑みを浮かべて答えた。



その後二人はそれぞれの客室に戻って明日に備えて休み始めた。



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