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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第74話
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世間を騒がせたこともあったな。その手口は大胆かつ華麗で、一部に熱狂的なファンすら存在するそうだ。」

「そうか、思い出した―――確か帝国軍から、導力戦車すら盗み出したとんでもない盗賊だよな。」

「うん、その話は有名だよね。」

「ふむ、それなら私も噂程度に聞いた事があるな。」

「導力戦車を泥棒……一体どうやったんだろ。ちなみに、今回はどうやって盗まれたの?」

「怪盗Bは、いつも事前に犯行予告を記したカードを送りつけることで有名ですが……やはり今回も送られてきたのでしょうか?」

犯人の手口が気になったフィーとマキアスはそれぞれ質問した。



「ええ、お察しの通りです。そして―――カードにはこう書かれておりました。『既にティアラは、ダミーと交換させてもらった』と。ですが……それこそが怪盗Bの仕掛けた罠だったのです。防犯設備を信頼してはいたものの、相手はなにせ、あの”怪盗B”……念のため、中を確認しようとケースを開けた瞬間……まさにそこを突かれてしまいまして。」

「ということは……その時に直接盗まれたんですね。」

「ええ……お恥ずかしながら。」

「なんという……」

「何だか物語の中に出て来そうな泥棒さんですね……」

「そ、そうだね。(加えてオリビエさんと思考が似ているから、あんまり関わりたくないんだよね……)」

店長の説明を聞いたマキアスとセレーネは驚き、ツーヤは冷や汗をかいて疲れた表情になっていた。



「ちなみに、犯人の顔は確認できなかったのだろうか?」

「ええ、その瞬間、店内の照明が全て落とされてしまいましたので。再び明かりが点いた時にはもう……ティアラはどこにもありませんでした。」

「そ、そうでしたか。」

「怪盗B……只者じゃないね。」

(まあ、執行者だから、只者でないのはあっていますけどね……)

怪盗Bを警戒するフィーの言葉を聞いたツーヤは苦笑していた。



「ちなみに……俺達に依頼があったのはどういう経緯なんでしょうか?」

「ええ、これを見てくださいまし。」

リィンに尋ねられた店長はリィンに一枚の”B”が記されたカードを渡し、リィン達はカードの裏側に書かれてある内容を読んだ。



サン・コリーズの店長殿へ。



”紅蓮の小冠”―――――確かに頂戴した。



ただし、次の条件を満たせば無事にお返しすることを約束しよう。―――これは取り引きだ。



一、事件を鉄道憲兵隊には報せぬこと。



二、同封したもう一つのカードを、トールズ士官学院、特科クラス・Z組A班に渡すこと。



三、Z組A班のメンバーがカードに書か
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