暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第百二話
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ば、トンキーを含めた俺たちを、軽々と乗せて飛行出来るのも頷ける。

「でもね、レインの必殺技凄いんだよ! 邪神級のモンスターだって倒しちゃうんだから!」

「必殺技?」

 そして女神たちに正式にクエスト終了を告げられ、こうして打ち上げが始まっていた。パーティー会場ほどの広さは確保出来るキリトたちの家にて、俺たちはみんなで持ち寄った軽食や飲み物をつまみながら、クエストについて賑わっていた。

 そんな中でも俺とリズが気になっていたのは、タングリスニで駆けつけてきたユウキとレインのことだった。スリュム戦には間に合わなかったものの、リズ曰わく『美味しいところを持っていった』彼女らが、どんな冒険をしてきたか。しかし聞くと、なんと邪神級モンスターに二人しかいない時に襲われたとかで。

「必殺技っていうと……OSSか?」

 オリジナル・ソードスキル。俺の知る限りでは、ユウキにアスナ――ついでに自分も――習得しているソレを、レインが邪神級を倒すほどの威力を誇り持っているのか。驚きとともにユウキに聞き返したものの、ユウキはハッとした後、悪戯めいた表情となった。

「ヒミツ。レインとの約束なんだ。……どうかな、ちょっと大人の女の人っぽくなかった?」

「大丈夫、ユウキはちっちゃくて可愛いから」

 映画にありがちな秘密を持った大人の女性――と、ユウキはそれっぽくしたかったようではあるが、リズに力任せに撫でられている姿を見るに、その目論見は失敗しているようだった。

「むー……でもボクも効果しか知らないんだ。教えてくれないと思うけど、レインに直接聞いた方がいいと思うよ? でもちょっとその前に助けて」

「そうする」

 とはいえユウキも、あまり必要以上のことは知らないらしく。そのままリズに愛でられているユウキを見捨て――拝むと、コップを持ってレインの姿を探しに立ち去った。背後からユウキの「ショウキのうらぎりものー!」みたいな声が聞こえたような気がしたが、パーティーの騒音で聞こえなかった。決してリズの邪魔をすれば後が怖いとかそういう理由ではなく、聞こえなかったということにしておく。

 早速、レインの姿を見つけようとするものの。あのエプロンドレスに真紅の髪、という目立つ姿をした少女はどこにもいなかった。いくら広いとはいっても、メンバーがどこにいるか分からないほどではないと思うのだが――と、妖精たちが集結しているところを見た。

「……ああ」

 あれだけ囲まれていれば、レインの姿が分からなくても仕方ないだろう。ただでさえ二刀流という異質な闖入者に、ユウキが中途半端に漏らしたOSSがあるとすれば、さまありなん。どうやら出遅れてしまったらしい。

「ショウキさんもレインさんに用でしたか?」

「……遅かったみたい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ