第百二話
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ば、トンキーを含めた俺たちを、軽々と乗せて飛行出来るのも頷ける。
「でもね、レインの必殺技凄いんだよ! 邪神級のモンスターだって倒しちゃうんだから!」
「必殺技?」
そして女神たちに正式にクエスト終了を告げられ、こうして打ち上げが始まっていた。パーティー会場ほどの広さは確保出来るキリトたちの家にて、俺たちはみんなで持ち寄った軽食や飲み物をつまみながら、クエストについて賑わっていた。
そんな中でも俺とリズが気になっていたのは、タングリスニで駆けつけてきたユウキとレインのことだった。スリュム戦には間に合わなかったものの、リズ曰わく『美味しいところを持っていった』彼女らが、どんな冒険をしてきたか。しかし聞くと、なんと邪神級モンスターに二人しかいない時に襲われたとかで。
「必殺技っていうと……OSSか?」
オリジナル・ソードスキル。俺の知る限りでは、ユウキにアスナ――ついでに自分も――習得しているソレを、レインが邪神級を倒すほどの威力を誇り持っているのか。驚きとともにユウキに聞き返したものの、ユウキはハッとした後、悪戯めいた表情となった。
「ヒミツ。レインとの約束なんだ。……どうかな、ちょっと大人の女の人っぽくなかった?」
「大丈夫、ユウキはちっちゃくて可愛いから」
映画にありがちな秘密を持った大人の女性――と、ユウキはそれっぽくしたかったようではあるが、リズに力任せに撫でられている姿を見るに、その目論見は失敗しているようだった。
「むー……でもボクも効果しか知らないんだ。教えてくれないと思うけど、レインに直接聞いた方がいいと思うよ? でもちょっとその前に助けて」
「そうする」
とはいえユウキも、あまり必要以上のことは知らないらしく。そのままリズに愛でられているユウキを見捨て――拝むと、コップを持ってレインの姿を探しに立ち去った。背後からユウキの「ショウキのうらぎりものー!」みたいな声が聞こえたような気がしたが、パーティーの騒音で聞こえなかった。決してリズの邪魔をすれば後が怖いとかそういう理由ではなく、聞こえなかったということにしておく。
早速、レインの姿を見つけようとするものの。あのエプロンドレスに真紅の髪、という目立つ姿をした少女はどこにもいなかった。いくら広いとはいっても、メンバーがどこにいるか分からないほどではないと思うのだが――と、妖精たちが集結しているところを見た。
「……ああ」
あれだけ囲まれていれば、レインの姿が分からなくても仕方ないだろう。ただでさえ二刀流という異質な闖入者に、ユウキが中途半端に漏らしたOSSがあるとすれば、さまありなん。どうやら出遅れてしまったらしい。
「ショウキさんもレインさんに用でしたか?」
「……遅かったみたい
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