暁 〜小説投稿サイト〜
大統領 彼の地にて 斯く戦えり
第九話 イタリカへ
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
7メートルで、中にはベッド、テーブル、椅子、収納棚、クッキングヒーターのある簡易キッチンがあり、これもすべてセットで簡易住居1セットである。
異世界の人々からすれば高級住宅よりも贅沢と言うかもしれない。
「食事も出てくるし、お風呂もあるしで、森の生活よりも贅沢なくらい。でも・・・。」
そういうとテュカは言葉を詰まらせた。
「何かあるの?」
それを見たロウリィが問いかけた。
「いつかは自活しないといけないけど、方法が見つからないわ・・・。最悪は、私たちが他の兵隊に身売りでもっ。」
ちなみにこの時点でペルシャールは”最悪俺が責任とって全員を引き取らなきゃいけないのかな”と自分の貯金を見ながら考えていたそうである。

「ひっ!?」
「なぁにぃ〜?」
損話をする二人に全身防護服を着たレレイが現れた。
「外は安全のよう、なので・・・ちょっと付き合ってほしい。」


レレイが二人を連れて来たのは丘を少し下った場所であった。
「これ、全部翼竜の死体?」
「帝国や諸王国軍がロンディバルト軍と戦った跡。」
そう説明するとレレイは続けた。
「この翼竜の鱗、全部私たちが取ってもいいと、ミーストが。」
「ええ!?翼竜の鱗は高く売れるわよ!?」
レレイの言葉を聞いたテュカは驚いた。この世界では翼竜の鱗は装飾など多くの用途に使われ、高級品であるからであった。
「ロンディバルト軍はこれに興味がないらしい。」
実際は完全にないわけではなく、死体を数体本国に持ち帰り研究材料としていた。
ちなみに銀座事件の際に捕獲されたゴブリンやオークは生体研究のために生かされている。だが人ではない以上生体実験なども行われ、既に10体以上がお亡くなりになっていた。

「身売りの必要は、ない。」
レレイはテュカの方を向いて言った。


「で、俺たちは運送業者って訳ですか。」
「まぁ、そう言うな。避難民の自活はいいことだし、それに特地での商取引の情報収集ができるいい機会だ。」
「いっそ商取引で町ごと要求してみてはいかがです。イタリカは帝国の重要な穀倉地帯だそうですよ。」
シェーンコップは嗾けるようにペルシャールに言った。
「まぁ帝国の制圧が我々の目標ではあるが、まずは情報収集をしないとどうにもならんしねぇ。それに人心掌握をして内側から崩壊させていく作戦だし、ここで穀倉地帯占拠して民間人に恨まれるようなことは避けないといけないからな。」
「ま、確かにそうですな。」
シェーンコップはすぐに引き下がった。

「・・・どうした?」
一向に乗らないテュカにレレイが聞いた。
「また、知らない土地に行くの?・・・お父さん、私、どうしたら・・・。」
そんなテュカの方に黒川で手を掛けた。テュカが振り向くとそこには黒川、栗林、桑原がニッコリと笑顔でテュ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ