暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
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えるくぐもった音とともに、希望が発射された。
全てが、スローモーションに見えた。
空気を切り裂く一発の弾丸は、飛行機雲のように宙空に白いラインを残しながら真っ直ぐに進んでいく。
白い装甲版は攻撃するには確実性が低いと考えたのだろう。
凶悪という言葉でも言い表せない、GGO世界の中でも極大の破壊力を持った物質が内部に組み込まれた弾頭は、マークUの身体の中で最も露出している最大の部位へと向かっていた。
その頭部にある、巨大な単眼レンズ。
蜘蛛の巣のように縦横無尽に亀裂の入った、血色のガラス玉。
そこに弾頭が突っ込みさえすれば、かつてイベントマップを丸ごと消し飛ばしたという恐るべき破壊力を持った反物質がマークUを跡形もなく滅殺するはずだ。
残像を引いてのろのろと進む全身を他人事のように眺めながら、レンは確信していた。
だが。
白い巨人は、最後の抵抗のように首を徐々にねじり始めたのだ。
顔が動けば当然目の位置も変わる。装甲を避けて撃った思惑が外れてしまう。
「くッ……ぁッッ!」
具体的な案なんて浮かんでいなかった。
ただ何かをしなければならない、という脅迫めいた思いに突き動かされ、レンは必死に手を伸ばす。しかし、今は空中だ。ALOと違い、天空を自由に飛び回れる羽がない今、足場がない限り少年にはどうすることもできない。
非常にゆっくりと、いっそ停滞したといってもいい世界の中で。
もがく少年を嘲笑うかのように、巨人の首だけは正確無比に回っていく。
じりじり、と精神が炙られる苦痛に耐えきれず、レンは顔を歪ませた。
そして、思った。
否、
思
(
・
)
っ
(
・
)
て
(
・
)
し
(
・
)
ま
(
・
)
っ
(
・
)
た
(
・
)
。
みっともなくて、惨めでも構わない。
それを情けないと言われるかもしれない。
非力だと罵る人もいるかもしれない。
でも。
だけど。
―――届かないッ!足場も……ないッ!何か……
誰
(
・
)
で
(
・
)
も
(
・
)
い
(
・
)
い
(
・
)
、この状況を打破できる何かッ!!
それは。
かつて、己の足りない力に絶望し、そして掴んだ少年から発せられた言葉とは、にわかには信じがたいものだった。
なかったものを手にした者がそれでも発した、助けの声。
だから。
それは確かに届いたのだろう。
次の瞬間、ただただ重力の法則の中で何もできずに落下していくレンは、確かに見た。
マークUの首に開いた、幾つかのスリット。
真っ白な過剰光を蒸気のように排出していたそこから、今は何か違うモヤのようなものが噴出していた。
最初は、これまでと同じようにマークUのものかと思った。
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