暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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れた少年の脚は止まらない。

どころか一層の加速を持ってその行動に応えた。

一瞬でレンズと肉薄するまで接近したレンは、その紅玉(ルビー)のような単眼に勢いよく拳を突き刺した。

「ォッ……ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァッァァァaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa――――!!!!!!!」

蜘蛛の巣のようなクラックが艶やかな鏡面に縦横無尽に走り、マークUは雄叫びでも方向でも嗤い声でもない。初めて、明確に悲鳴と理解できる声を上げた。

だが。

それと同時。



『……ナンデ?』



「――――ッッッ!!」

埋没した腕。

そこから溢れ出るように、《何か》が湧出した。



『ナンデ』『ドウシテ』
『イタイ』
『クルシイ』
『ワタシガ』
『ボクガ』
『オレガ』
『ナニヲシタンダ』
『タダ』
『ウマレテキタ』『ダケナノニ』
『ママ』『ママハ』
『ドコ』
『ドコニイルノ』
『クルシイ』
『イタイ』
『タスケテヨ』
『オヤ』『ダロウガ』
『タスケテ』『タスケテ』
『タスケロヨ』



メキミキバキィッ!

砕けた紅のレンズ。その割れ目の鋭利な先端が、少年の腕に噛みつくように突き刺さっていく。

―――これ…は。

だがその様は、まるで。

―――フェイバル……()()()()!初代《災禍の鎧》の中に生まれた《獣》と同じようなモノ、なのか!?

親とはぐれて縋りつく子供の手のように見えた。

レンは背筋に水をブッかけられたような悪寒に見舞われる。

もし。

もし、だ。

腕に噛みつくこの《手》を取って、クラックの奥に見える真っ暗闇の中へ足を踏み入れたら、どうなるか。

頭に響く大小さまざまな無数の声。喜怒哀楽以上の生々しい感情の嵐吹き荒れるそれらについていったら、どうなるか。

気付いたのだ。

この暗闇の奥に、何があるのかが。

おぼろげながらも。漠然としながらも。

本能で、感じた。

と同時に。

「ッここだ!ここを狙って!!」

疲労困憊で、リラのようなバカでかい声は出せない。

それでも、今狙いを定めている地上のシノン達に聞こえるように精一杯の声を上げた。

次いで、なおもブツブツと追いすがる無数の声を振り切るかのように埋没した腕を引き抜く。赤いガラス片がいくつか刺さったままだが、今はいちいち抜いているヒマはない。

吐息が熱い。ノドが正常な動きをしていない。ギシギシと限界以上に酷使された関節が悲鳴を上げる。

だがそれでも、少年は動いた。

直後。



ボン!と。



いっそあっけなくも聞こ
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