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なみだ
ロク
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「……………これは」




(シン)は思わず、ゴクリと溢れ出てくる唾をゆっくりと嚥下した。
目の前にある大量のご馳走は見ているだけでも唾が出るし、加えてうっとりするくらい美味しそうな香りがするものだから、思わず瞬きを数回繰り返した。
ココにいる8人では到底食べきれるとは思えない量の料理が乗った皿が、サンジによって次々と机の上に運ばれてくる。
しかし(シン)以外の誰も驚く事はなく、平然と(ルフィはヨダレをたらして喜んでいる)定位置に腰を下ろしていた。




(シン)ちゃんの席はこちらでっす!」




そう言ってサンジが椅子を引くので、(シン)はどうも、とのろのろ席に着いた。
(シン)が腰を下ろしたのを皮切りに、その瞬間全員が食事を開始した。
ルフィやチョッパー、ウソップ、ゾロはガツガツと食い散らかし、ルフィに至っては隣に座るナミの料理に手を出そうとして殴られていた。
ロビンはロビンで騒がしいのを一切気にすることなく、このお肉とっても美味しいわ、なんてサンジに微笑んでいた。
サンジは普通に食事していたが、女性陣のお茶がなくなると注ぎ足しに来たりしている。
(シン)はしばらくそんな食事風景を唖然と見つめていたが、ふと自分の目の前にある料理に視線を落とした。




(すごく、美味しそう)




なにか仕掛けられているんじゃないか、なんて、職業柄疑わなければいけない(シン)だったが、そんな事考えていられないほど、料理はむしろ輝いて見えていた。
完璧に盛り付けられた、非の打ち所がない料理。
大きな肉をナイフとフォークで上品なサイズに切り、(シン)は我慢ならずに口の中に放り込んだ。




「…め」




「お気に召しましたか?マドモアゼル」




「めちゃくちゃ美味しいです…!!」




(シン)はプルプルとフォークを握る手を震わせながら、サンジに向かって座ったままお辞儀をする。
こんなに美味しいものは今まで生きてきて1度も食べた事がないと、心の底から感動してしまった。




「ほうらろ!ひゃんりろりょうりはへはいいひはんははらら!」




「汚い!食べながらしゃべんなっつってんでしょ!」




「ぶへ!」




ルフィは(シン)の言葉を聞いて嬉しそうに発言したが、いかんせん口に食べ物を詰め込んでいたために飛び散った。
横からナミがすかさずルフィの頭を叩いていた。

(シン)に褒められメロメロとハートを飛ばすサンジを横目に、ゾロはフンと気に食わなそうな顔をしながら、それでも食事を続けていた。
料理の腕に関しては、文句が言えないといったところだろうか。




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