暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第五話「オバケ退治にレヌール城へ」
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分かったのか、しきりに頷きながらその尻尾をパタパタと振っていた。

「リュカ、あなた魔法が使えたのね」
「まだホイミだけだけどね」
「とにかく、オバケ退治がすんだらその猫は私達の物になるんだからね。もし、また苛めて傷が増えてたらタダじゃ済まさないわよ」
「わ、分ったよ」
「じゃあリュカ、行きましょ。ちゃんと準備しておかなきゃ」
「うん、そうだね」

それからリュカとビアンカは武器屋へと行き、戦力の強化を計った。
リュカは新たにブーメランを、ビアンカには茨の鞭を買い、防具も革の鎧に革のドレスを購入。

それらはばれない様に宿屋の裏に置いてある樽の中に隠しておいた。
準備は万端、後は夜になるのを待つだけなので体力を温存する為にゆっくり休んでおこうと宿屋の中に入るとパパスは帰る準備をしていた。

「戻ったか、リュカ。ダンカンの見舞いも済んだ事だしサンタローズに帰るぞ」
「え…ちょ、ちょっと待ってよ父さん」
「ん?どうしたリュカ」
「今から帰るの?」
「ああ、今からなら夜になる前に帰り着けるだろうからな」
「そ、そんな…猫さんが…」
「リュカ……」

今帰ったらレヌール城のオバケ退治は出来ず、猫を助けるという約束が果たせない。二人共、どうしようかと悩んでいるとそこに助けの声が聞こえて来た。

「ちょっとパパスさん。そんなに急いで帰る事もないだろう、一日位泊って行きなよ」
「そ、そうよおじ様!私ももう少しリュカと遊びたいわ」
「僕もビアンカともう少し一緒にいたいよ」
「そ、そうか。ならば少し甘えさせてもらうとするか」
「わーーい。(何とか助かったね、ビアンカ)」
「今日は一緒に寝ましょうね、リュカ。(危ない所だったわ。ママには感謝ね)」

両手を繋ぎ、飛び跳ねながら喜ぶ二人をパパスとマミヤは微笑ましそうに見つめている。
まあ、傍から見ると仲の良い二人が一緒に居られる事を喜び合っている様にしか見えないのだから。

だからこそ………

「これで家の宿屋も将来は安泰だね。リュカなら良い婿になれるよ、ねえパパスさん」
「マミヤはそんな風にリュカの事を狙っていたのか……」
「あら、当たり前じゃないか。ほほほほほほほ」

幸か不幸か、そんな大人達の会話は子供達の耳には届かなかった。

そして、大人達も眠りについた深夜、ビアンカは隣に寝ているリュカを起こし家から抜け出して行く。
念の為、パパスが寝ている所も覗いて見たがぐっすりとよく寝ていた。
それでも「マーサよ、私達のリュカは真直ぐに成長しているぞ」と、寝言を言った時には黙って行く事に罪悪感もあったが猫を助ける為だと自分達に言い聞かし、隠してあった武器と防具を身に付けてレヌール城へと歩き出した。



―◇◆◇―

「見えて来たわ
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