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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第五話「オバケ退治にレヌール城へ」
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ニャーンて鳴かなきゃダメだろ」
『ギャンッ!』

小さな動物は怪我をしているのか抵抗も出来ずに蹲り、力無く呻き声を上げているが、それでも子供達は構わずに面白がって苛め続けている。

「あの子達、なんて酷い事をしてるんだ?」
「あいつ達は近所でも有名な悪ガキよ」
「こらーーっ!弱いものいじめはやめなよっ!!」
「な、何だよお前は。コイツは俺達が見つけたんだ、どうしようと俺達の勝手だろ」
「そうだそうだ、邪魔するなよ。それに面白いだろ、コイツ鳴き声がへん……」

リュカはすぐさま駆け出して苛めを止めさせようとするが子供達は耳を貸さずに苛めを続けようとしていた。
だが、リュカの後ろから近づいて来るビアンカの姿を見つけると、とたんにオロオロとしだした。

「鳴き声が……何だって?」
「ビ、ビアンカ……」

いじめっ子の少年は少し顔を赤くしたが、すぐ頭を振りビアンカに向き直す。

「何の用だよ?」
「猫ちゃんを放してあげなさいよ」
「そうだよ、可哀想じゃないか」
「嫌だね」
「どうしても嫌なの?」
「ぐっ……、い…嫌だ…」

いじめっ子兄弟は猫?を放せというビアンカとリュカにあくまでも嫌だと言って譲らない。
正直、ビアンカに淡い思いを寄せている為、言う通りに放してやろうとも思ったが、男としての最後の意地が勝っている様だ。
彼等の足元には木に紐で繋がれた猫?が辛そうに蹲っている。

猫?と表記してるのはその動物が見た目、猫には見えない為だ。
この動物…否、この魔物の名は「キラーパンサー」その幼生体の「ベビーパンサー」である。

本来なら大人達がそんな恐ろしい魔物を町に入れる事を許す筈もなかったのだが本来「キラーパンサー」はこの地方と言うよりこの大陸には住んでいない魔物なので大人達もそれと気づかずにいたらしい。

「じゃあ、どうやったら放してくれるの?」
「そうだな……、じゃあ噂のレヌール城のオバケを倒したらこの猫はお前達にやるよ」
「レヌール城のオバケ?それって何、ビアンカ?」
「此処から少し離れた所にある古いお城で、もうずっと昔から誰も居ない筈なのに夜になるとお城から灯りが漏れ出して気味の悪い笑い声なんかが聞こえて来るのよ」
「そ、そっか…。なら、そのオバケを倒して来たら猫さんを放してくれるんだね」
「よし、約束だ。オバケ退治が出来たらこの猫はお前達の物だ」
「決まりね!リュカ、さっそく今夜出かけるわよ」
「うん!と、その前に……“ホイミ”」

リュカは辛そうにしているベビーパンサーに近づくとホイミを唱えてその体に付けられた傷を癒して行く。

「ガゥ?」
「もうちょっとの辛抱だよ。すぐに助けに来て上げるからね」
「グゥ…、クゥ〜〜ン」

ベビーパンサーはリュカの言う事が
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