暁 〜小説投稿サイト〜
RSリベリオン・セイヴァ―
第二十話「銀の福音」
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、ディスクを激しく叩き付ける女士官がヴォルフの映像を見ていた。極秘の中で生きている彼らにしては、RSの存在は薄々気付いており、また男性陣はRSに対して微かな希望も抱いていた。しかし、今ここに居る司令官は女であり、また男女平等派のナターシャとは大きく性格が正反対の女尊男卑派の人間であった。
「ベルリンとパリ支部の襲撃に向かった『アンネイムド部隊』はどうした!?」
『例のコソドロ部隊なら、僕が潰したよ……?』
と、またヴォルフとは違う別の青年の声が聞こえた。その主はヴォルフの背後から新た登場したラルフである。そう、彼の任務はベルリンとパリ支部へ潜入した敵特殊部隊の殲滅へ出向いていた。ただの部隊とは違い、ISを用いた尖鋭部隊だから、やや一般のRS装着者には厄介であるため、筆頭の彼を向かわせたのだ。
「なっ……『金色の不死鳥』だと!? あの部隊が全滅したというのか……!?」
さらに苦虫を噛みしめる女士官はこう命じる。
「ナターシャ大尉! 今すぐシルバリオ・ゴスペルの性能を用いてあの男たちを殺せ!」
そんな無茶苦茶な彼女の命令に周囲が反対する。
「し、しかし! いくら大尉でも相手が悪すぎます……」
「指令! カタパルトより無断発進のISが……」
基地のカタパルトから無断で飛び立とうとする一機のISが見えた。
「こんな時に……誰が乗っている!?」
「イーリス・コーリング中尉です!」
「あの馬鹿め……まぁいい、彼女に至急ナターシャ大尉の救援に向かうよう命じろ!?」
「了解!」
しかし、ナターシャの相棒であるイーリスは言われなくても彼女の救援へ向かった。

そのころ、ナターシャはヴォルフとラルフの筆頭と空中で激しいドッグファイトを繰り広げていた。
「くぅ……2対1じゃ流石にキツイか?」
銀の福音の放つ雨のような弾幕を二人の筆頭はトリッキーに避け続けながら距離を縮めて行く。
しかし、そんな二人へアサルトライフルの弾丸が降り注いだ。
「何だ?」
目障りな目つきでラルフはその方向へ目を向ける。
「お前らの相手はこのアタシだぁ!!」
イーリスが、ようやく救援に駆けつけたのだ。しかし、筆頭の二人にすればISが何機も増えようが変わらないことである。
「ヴォルフ君……アレ、僕の獲物にしてもいいかな?」
「好きにしろ……」
戦闘狂特有の笑みを浮かべるラルフを見て、ヴォルフは呆れた。
「あんなコソドロ部隊じゃ物足りないんだ! もうちょっと楽しませてくれよぉ!?」
ラルフのランスロットが、こちらへ向かうイーリスへ襲い掛かった。それは、獲物の小鳥へ急降下して襲い来る巨大な鷹のように……
そのとき、突如ナターシャの操縦するシルバリオ・ゴスペルに異変が起こった……!

早朝八時、俺たちは千冬公に叩き起こされて眠たい顔をして布団を畳み、
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