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RSリベリオン・セイヴァ―
第二十話「銀の福音」
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早朝、あるハワイ沖付近の島にて……

地図にも書かれていない軍の極秘施設なんて幾つも存在するが。この基地だけは今までの施設と比べてかなり極秘であった。
『こちら司令部、これより試作ISシルバリオ・ゴスペルの試験飛行を行う。操縦者は、準備が出来次第、こちらへ知らせよ』
全身純白に身を包んだISから司令部より無線が響いた。
「こちらナターシャ大尉、機体状況は良好、いつでも離陸できます」
機体の中で、操縦者の女がそう返答する。
『了解、こちらの指示が出るまで待機せよ』
司令部より返答が返った。
「さぁ……ようやく貴方と飛べるわね? この機会をずっと待っていたのよ?」
彼女はそう自機のISへ語りかけた。この女性、ナターシャ・ファイルスはISを扱う女性陣の中でも数少ない正統派な人格であり、女尊男卑という風習に興味を示さず、ただ一人の軍人となってISを操縦することだけを全うしているのみ。
『こちら管制塔、許可が下りた。これより発進せよ』
「了解……ナターシャ・ファイルス、シルバリオ・ゴスペル発信します!」
ISとしては珍しい素顔までもが装甲で覆われたその機体、シルバリオ・ゴスペルこと「銀の福音」は発進体制のためカタパルトから滑走し、上空へと舞い合った。
「未だ機体に異常は見当たりません……」
『了解、そのまま飛行ルートを維持せよ』
銀の福音は、まさに異常はなく外見と似合わなず軽やかに、優雅に空を飛び回る。
「良い子ね……そのまま一気に速度を上げるわよ?」
しかし、ナターシャが予定のコースを飛行中、ある事態が起こったのだ。
『ナターシャ大尉! そちらに所属不明の機影を確認! 十分に注意しろ!?』
「所属不明の機体?」
操縦士、ナターシャはその無線を聞き続ける。
『ナターシャ大尉、試験飛行は一次中断する。ただちに格納庫へ戻れ!』
「了解、直ちに帰投します……」
『熱源、さらに接近! もうすぐでナターシャ大尉に……いえ、来ました!』
オペレーターの声にナターシャは目前を見た。
「あれは……!?」
銀の福音の目の前に見えたものは……彼女と同じように浮上する男である。それも、大剣を担ぎ、見慣れぬ服装をした青年であった。
「クレイジーね……生身のまま空に立っているなんて。ホログラムかしら?」
「俺はヴォルフ・ラインバルト……銀の福音、『シルバリオ・ゴスペル』を破壊する」
大剣を片手に軽々と抜き、その先をナターシャへ向けた。
「その前に……貴方はホログラムなの?」
「……!」
そんな彼女の一言と同時にヴォルフは大剣「グライフ」を横へ振り回すと、一瞬で激しい強風が吹き荒れて福音の体制を崩しだした。
「くぅ……どうやら、ホログラムじゃなさそうね?」

「バカなっ!? 何故、『ベルリンの黒狼』が……!?」
司令室にて
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