二正面作戦
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さんに何らかの処分を言い渡す時に国防大臣とその部下たちしかそれを証明できる人がいないというのはあまり適切ではない。
国防大臣と王国軍が口裏を合わせてウソの証言をしていると捉えられると何も罪に問えない可能性もあるだろう。だけど俺たちという部外者もいれば証言としては完璧に近いものになる。
「なんで?」
「極秘情報が拡散する危険もあるのに」
ハッピーとシャルルがそう言う。
「これ以上隠し通せんと判断したか」
「俺たちが全員捕まってたら情報は外に出なかっただろう」
エルザさんとグレイさんがそう言う。しかし、それをジュビアさんとミラさんが否定する。
「でも・・・」
「それはどうかしら。グレイたちは大魔闘演舞の出場者でしょ?明日急に出場しないとなったらそこから足がつく」
「王国としても魔導士ギルドは敵に回したくないと思います」
確かにミラさんたちの言う通りかもしれない。俺たちが突然不参加なんてことになったら不審に思った観客たちが何かしらの手段を使ってでも調べあげるだろうし、他のギルドの人たちも打倒妖精の尻尾なんて言ってたからきっと戦えなかったらその原因を作った王国に対して不満を持つ可能性もあるしね。
「ルーシィが捕らわれたのは我々としては不条理だが、王国軍の正義には反していない・・・ということだ」
エルザさんのその言葉を聞いた途端、ナツさんは体に巻き付けられているロープを引きちぎり立ち上がる。
「だぁ!!ゴチャゴチャ言ってねぇで助けに行くぞ!!」
「うわぁっ!!」
目の前に縛られていたナツさんが勢いよく立ち上がったことでビックリして倒れそうになるウェンディ。俺はそれに気づいたのですぐに支える。
「あ・・・ありがとうシリル」
「ううん、どういたしまして」
ゴチーン
俺とウェンディがよそ見していると、後ろから・・・ナツさんがいたと思われるところからものすごい音が聞こえる。
「落ち着け」
「くぱん・・・」
「うわ・・・」
マスターの巨大化した拳がナツさんを押し潰していた。い・・・痛そうだな・・・
「家族を捕らわれちゃ祭りどころじゃねぇわい。皆、同じ気持ちじゃ」
この場で俺たちの話を聞いたエルザさんやミラさん、ジュビアさんやラクサスさんも、その場にいて目の前でルーシィさんを捕まえられてしまった俺たちも皆ナツさんと同じ考えだ。本当は今すぐにでもお城に殴り込んでルーシィさんを救出したい。だけど今はそれは得策じゃないことは誰の目から見ても明らかなのである。
「いつもみたいに後先考えずに突っ込んでも、今回ばかりは相手が悪い。が、黙ってられるほど腰抜けじゃねぇぞ、妖精の尻尾は!!」
俺たちは今はできることをやろう
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