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愛し愛され愛し会う
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He went out and hanged himself and then there were none.《自分で首くくって そして誰もいなくなった》…………so there were none.(そう 誰もいなくなった)

「違うよ」

まとわりつく闇など眼中になく、ただ真っ直ぐ前を目指し、歩を進めながら初代は言った。

その声に反応したかのように、ぴくんと華奢な肩が揺れ、ゆっくりと少女はこちらを振り返る。

だが、それさえ待たずに少年は走った。

One little boy living all alone,(1人の男の子 寂しくしてた)

振り返ろうとしていた肩に手を乗せた。露わになった双眼は、真っ黒な涙を流していた。

だが、それにもひるまず、少年は言葉を紡ぐ。

He got married and then there were none.(その子が結婚して 誰もいなくなった)……それが、本当の歌詞だ。それを教えてくれたのは、きみじゃないか」

フラン、と声が名を呼ぶと、少女は場違いに呆然とした表情を浮かべた。

信じられない。

嘘だ。

幻だ。

だって。

でも。

情けないほどに、そして泣きたいくらいに、震えた。

揺れる唇が音を紡ぐ。

「……ファル…………?」

「……あぁ」

「ホントに……ファル、なの?」

「あぁ!」

肩に置く手に、自然と力が入る。

「ごめん。ごめんよ、フラン。ぼくに力がなかったせいで、こんな……こんなことに……」

「………………ふぁ……る」

少年は力強く、少女の身体を抱きしめた。

華奢な身体は冷え切り、強張っていたが、それでも決して離さないと決めていた。

「だけど、もういいんだ。もういいんだよ、フラン。孤独(ひとり)は辛い。孤独(ひとり)は寂しい。だけど、もう苦しまなくていいんだよ。一緒にいるから。ぼくは、ずっと、例え無限の時を過ごすことになっても、ずっときみといるから……ッ!」

吐息が、耳元で囁かれる。

肩口が熱い。

それが、きっと何物よりも価値のある涙だと初代は思った。

そして――――



「あはっ、ファル。ファルだぁ」



ぞぅっ、と。

嫌なモノが背筋を這いまわったのを少年は自覚する。

「ふ、フラ――――ッ!!?」

背筋を這いまわるモノ。それは物理的な力となり、初代を襲った。

冷気。

冷たい、を遥かに通り越し、触れただけでその部位が欠け落ちるような絶対零度の凍気が渦巻く。

嗤いが耳元で破裂する。

「くすっ、くすあはっ、あはあははっ、あはははくすくすあははくすはははっっ、あははははっはは
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