外伝 シンフォギアGX編
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ピッピッピと潜水艦のコンソールを弾く少女。
言わずもがな、ミライだ。
装者のメディカルデータをチェック中。
「暖かいもの、どうぞ」
「暖かいもの、どうも。あおいさん」
「それで、どうなの?」
自分のマグカップに口をつけてからあおいさんが問いかけた。
「まず、マリア、調、切歌の三人のLiNKER投与による後天的適合者の三人ですが…」
「何かあったの?」
「適合係数が大幅にアップしていますね。しかも、ここ最近LiNKERを投与していないと言うのに」
彼女達に投与されていたリンカーのレシピはウェル博士謹製のもの。彼が居ない為に製造は不可能になっていた。
「ちょっとまって、後天的と言う事は奏ちゃんと一緒と言う事。リンカーの投与なしでシンフォギアとの同調なんて…」
「出来ないはず…なんですけどねぇ…どうやら、わたしが渡した裏技がまだ生きているみたいですねぇ」
「裏技?」
「わたしが使う二重聖詠はもともとの装者の権能を用いるもの。その一部をあのフロンティア事件の時に受け渡したのですが…思いのほか相性が良かったみたいで…受け渡した力の一部が馴染んじんで変質しちゃったみたいですねぇ。彼女達の波形パターンが以前とは違いますから」
「それ、大丈夫なの?」
「さぁ?何にせよ前例がありませんからね。体に変調をきたしていませんし、バイタルも安定しています。特に害があるような物では無いとは思うのですが…」
「つまり、彼女達三人は制限時間の無い正規適合者並と言う事?」
「並と言うか、翼やクリスの以前の適合係数より高いですね」
「それは…」
「で、次は翼とクリス。この二人には肉体活性が見られますね。五感が鋭くなったり、集中力が増したり。かなりまずい傾向です」
「どうして?」
「権能に馴染みすぎてます。権能の大元は確かにまだわたしの方にあります。だけど…」
「だけど?」
「もう一度、譲渡すればおそらく…」
「おそらく…?」
ミライはそれには答えずに次いで未来のデータを出す。
「これは?」
「未来のデータです。彼女も後天的適合者でした。しかし、自らの聖遺物を取り込んだことで聖遺物が体と融合。わたしの血を取り込んでいたことにより最適化。完全に融合してしまっている」
胸の中心に神獣鏡の破片。そこから体組織全体に霊ラインを形成。聖遺物の波動は骨を伝って体全体へと流れていっていて、もはや摘出は不可能だった。
「これはまだ過渡期かと」
「どうして?」
「これです」
次に出されたのは響のデータだ。
「体の隅々まで聖遺物の擬似的霊ラインが形作られ、骨格は既に聖遺物…いえ、シンフォギアそのもの。これではまるで
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