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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
喪失-ロスト-part2/ルイズの結婚
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城の中は、夜になっているだけあって暗くなっていた。二つの月と壁に掛けられたランプによって薄暗く照らされていた。月を見る度に、本当に異世界に来てしまったのだとサイトは思わされた。さて、この異世界へと連れてきたルイズはどこへ行ったのだろうか。
「次の作戦で変装して敵の懐に潜り込むとか危険すぎるだろ!対象首一つ取ったくらいであいつらが止まるとは思えねえし、さすがにクロムウェルは出てこねえぞ。俺の見立てじゃ間違いなく、部下を前線に突き出してこそこそ隠れてやがるに違いねえぜ」
「真正面から立ち向かったところで、さすがに勝てるとは思えない。それに君の言う通り、たしかにクロムウェルは打って出ることはないだろう。なら、選抜したチームで直接が敵地に潜り込んで直接敵の大将を倒さなくてはならないんだ」
ふと、サイトの耳に、偶然か半ドアの状態の扉から誰かの声が聞こえてきた。聞き耳を立てるのはよくないことかもしれないが、もしかしたらワルドがルイズを見つけ、彼女と会話しているのかもしれない。
が、予想は外れた。話していたのはウェールズとグレンの二人だった。グレンの方は、空賊らしいボロボロで乱れた服装ではなく、晩餐会のために用意したサイズぴったりの紳士らしい礼装に着替えていた。
「僕らはまだ負けたわけではない。僕らは必ず、彼らと戦って勝たなくてはならないんだ。奴らがこうして執拗に僕たち王党派を追い詰める理由は他にもある」
「王家が代々守ってきたっつー『始祖の箱舟』のことか?」
(『始祖の箱舟』?)
さっきの会談の内容には含まれていなかった話だ。王族が直々に守っている上に始祖、と冠が付いている辺り、かなりの代物であることがうかがえるが、聞いたこともない。舟、と呼称されているから何かの船なのだろうか。
「伝承ではあの箱舟は始祖と彼と共にいた同胞たちが乗り、この世界から聖地へ降り立ったと言われているんだ。レコンキスタが狙う理由もわかる。我らは、それを決してレコンキスタに渡してはならないんだ。僕らが負けて、あれが奴らの手に渡ればきっと間違いなく悪用されてしまう。勝利の可能性を少しでも上げるためにも、僕は自ら戦場に向かうつもりだよ」
始祖ブリミルとは、地球で言うイエス・キリストに近いもの、または神のような存在だとサイトは認知していた。そんな神々しい存在が乗ってこの世界に現れた、それほどのものが実在していたと言うことが事実なら、自分のない頭では理解しきれないほどの代物であるに違いない。
「いや、ダメだ!やっぱお前さん次の戦では席を外した方がいいと思うぞ。連中は真っ先にお前の命を狙ってくるんだぜ。お前が死んじまったら元も子もなくなっちまうぞ」
一人用ソファに腰掛けて話している二人の会話は、どうも穏やかではなかった。
「グレン、もしこの作戦が失敗したら君たち炎の海賊団は逃げるん
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