喪失‐ロスト‐part1/王子との謁見
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貴族派、レコンキスタの放つ怪獣からは目を付けられてはならない。サイトたちが乗るアルビオン王党派の軍艦『イーグル号』はアルビオン大陸の下へ潜り込んだ。
怪獣の他にも、空を飛んで王党派を狙おうとしている輩がいた。それはイーグル号を凌駕する巨大な戦艦だった。ウェールズの話によると、あの戦艦はかつてのアルビオン軍の戦艦『ロイヤル・ゾウリン号』。レコンキスタの手に落ちたその時の戦地に因んで『レキシントン号』と勝手に改名されてしまった。王党派との最初の闘いの勝利をネチネチとアピールしている辺り、相手に対するいやらしさが垣間見える。ともあれ、そのレキシントン号の存在と怪獣たちの両方が空を飛びまわっていたために、ウェールズたちは空賊のふりをしていたのだ。…が、実をいうと貴族であるルイズたちにとって驚くべき事実が他にもあった。
「本物の空賊ですって!?」
ウェールズが空賊の頭のふりをしていた際に言っていた『炎の空賊団』というのは、ウェールズたち王党派の貴族たちに協力している本物の空賊団だったという話だった。声を上げるルイズや、同じように王党派に協力する空賊が存在していると言う事実に驚くギーシュたちに向けて、空賊船長の三兄弟たちが前に出て名乗りだした。
「その通り!わしは空賊団船長の長男、『ガル!』」
「『ギル』!」
「『グル』じゃ!」
「んで、俺様は炎の空賊団の用心棒、グレンファイヤーだ!この姿ではグレンって呼んでくれ!」
最後はグレンが、前髪をかき上げながら改めてルイズたちに自己紹介をした。
「王党派に味方をする空賊がいるとはね」
これには、ワルドはルイズほど大きなリアクションをとらなかったが、王党派の空賊が存在すると言う事実に驚いていた。
「普通は驚くのも無理はない。何せ、この辺りの空賊は我ら以外全てが貴族派に付きおったからのう」
「ま、所詮レコンキスタという虎の尾を借る狐…」
「要は束になってもうちの足元にも及ばん雑魚共だがな!」
ぎゃははははは!と空賊三兄弟たちは馬鹿笑いをした。
「彼らのおかげもあって、僕たち王党派も空賊に成りすますことができた。グレンの力もあり、僕ら王党派は全滅を免れ、それどころか貴族派の仕向けてくる怪獣を相手にしても戦いぬくこともできるようになり、こうして今日を生きている。
変装については最初抵抗があったが、一度なりきるとなかなか面白くてね。ただの王族生活じゃなかなかできない体験だったから、思った以上にはまり込んでしまったよ。はははは」
空賊への成りきりにハマった王子、しかもそのくせ空賊たちと打ち解けている、ウェールズ以外にきっと誰もいないであろう。気さくに笑って見せるウェールズに、サイトたちは開いた口を塞ぐのに苦労した。
ともあれ、彼ら炎の空賊たちが味方をしてくれたおかげで、王党派は貴族派の使役する怪獣に相対
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