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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第3章 しばしの休息 ハイネセン第33中央軍病院
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艇長メリー・ウォーレン大尉などのいわゆる「エース」と呼ばれる敵艦を10隻以上単独で撃沈した艦の艦・艇長が誕生した。この宙域の戦いだけで。アラン・マスカーニ大佐自身の乗る駆逐艦「オデッセイ」の艦長マリノ少佐(のち同盟軍・イゼルローン革命軍准将 ヤン艦隊の分艦隊指揮官)は本宙域の戦いで戦艦7隻を含む21隻を撃沈し、同盟軍駆逐艦艦長エースの歴代25位113隻を合計で撃沈したことになった。
また、空戦隊ではオリオン星系からの増援部隊である第44打撃空母群とたまたまカーラ=テーベ2−2補給基地にいた第90護衛空母群で特別編成された第134任務空戦団(第44打撃空母群の44と第90護衛空母群の90を足したことから)が編成され、この任務空戦団の指揮官であった、ケルン・ウォーリック中佐は士官学校卒業者の中で4位の97機を撃墜したエースパイロットで彼もアラン大佐同様に空戦隊を敵の戦艦・巡洋艦群の空間に侵入させ、近距離からの攻撃により敵の戦力をそぐ作戦に出た。
任務空戦団はこのほかにも、敵の空母打撃群のワルキューレ空戦隊との空中戦で敵の約6割をドッグファイトの末撃墜し、その後のヘンシェル星系区奪還作戦における制宙権の確保で損害を大きく減らせたとしている(降下部隊は降下しているときが小型戦闘艇に一番やられやすいことから)。また、私の友人である第14駆逐艦群のリスナー・ウィリスは戦場昇進を重ね、結果伍長に正規昇進した。また、敵の駆逐艦を正確な射撃で撃沈に貢献するなど戦功を立てて、第1・2級戦功勲章、第1級勲功章を授与されていた。生存した同期修了者は全員が伍長以上に昇進し、勲章を授与されていた。
私はというと、9月5日付を持って正式に軍曹に昇進し同時に「ハイネセン同盟軍統合士官学校」に入校が決定した。これは異例中の異例で第3学年からの入校ということになった。通常下士官から士官になるには「幹部候補生養成所」を出るか、「選抜下士官士官候補生課程」を経るかのいずれだが、私は当時17歳でいずれも19歳以上が対象で17歳で士官への道は士官学校しかなかったのだ。
これは、ケン中佐(戦闘終結後、昇進)や、第1艦隊司令官のクブルスリー中将などの中・高級士官の方々が推薦したことであった。
また、私には第1・2級殊勲勲章、第1・2級勲功章、第1級戦功勲章、名誉負傷勲章、ヘンシェル星系攻防戦従軍章そして、同盟軍の勲章で第2位の殊勲十字勲章が授与された。
この勲章は、叔父のケーニッヒ准将も受章していたものであった。
同盟軍の発表によれば本戦闘は、苦戦に陥ったものの一応の勝利を収めたと記述されており、帝国軍は目的を達しえなかったが、同盟に大打撃を与えたと書かれていた。
どちらの記事もあってはいるが、この同盟の発表には心底あきれた。あきれるしかなかった。
何が、一応の勝利だ…
あんな辺境で、
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