暁 〜小説投稿サイト〜
極短編集
短編51「愛すべき退屈な日常」
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


「ごめ〜ん!」

 友達は慌てて謝った。

「大丈夫だよ」

 僕はそう言ったけど……

「あっ!血が出てる〜。ごめんねごめんね」

 友達は明らかに焦っていた。友達はスカートに手を入れてハンカチを取り出した。そして僕の頬に当てようとして……

ガタンッ!

 こけて、僕に倒れて来た。そしてそのまま、僕も一緒に椅子ごと倒れたのだった。周りに誰もいなければ、きっとそのまま、彼女を抱き締めていた所なのだが……

「おっ!またまた夫婦で何かしてる〜」

 男友達が冷やかしの声を上げた。周りの友達が僕らを見て笑っていた。

「ごめんね、ごめんね」

 友達は僕に覆い被さりながら、僕に必死に謝っていた。なんとか友達をどけて、僕は起きあがると……

「大丈夫だよ」

 と、友達に言った。目が合った。彼女は顔を真っ赤にしている。そう、いましがたしてしまったのだ。こうして、いつものごとく……



『唇、柔らかかったなあ』

 退屈な日常は、続いていくのだった。

おしまい





[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ