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英雄は誰がために立つ
Life1 勉強会と考察会
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 ――――私は元の世界から似て非なる世界に跳ばされた英霊の1人だ。
 しかも、聖杯戦争でもないのにキャスターと言うクラスまで割り当てられていた。
 そんなところに1人の少年が現れた。場所が場所なだけに一般人では無いだろうが、確認を取れば矢張り魔術師だった。その上、令呪が有り私のマスターでもあった。

 その少年魔術師の特性――――いや、異端さを知った時、驚愕とともに日本で言う「棚から牡丹餅」的な幸運に表情では決して悟られないように歓喜した。
 私もこれでも生前は魔術師の1人だ。彼の特性を知った時、瞬時に脳の半分をホルマリン漬けにしてもう半分を貴重な研究材料にしようと考えたのだ。
 しかし私も英霊であるのなら依代となるマスターが必要不可欠。代わりのマスターを如何しようかと考えて街に出てみると、そこで私の中に衝撃が走った。

 スタイルの良さに艶やかな唇と綺麗なロングヘアーの髪、優しげな瞳にまぶしい笑顔。
 そう、私はこの時一目惚れを――――恋を知ったのだ。
 そこで兎に角お近づきになりたいと有る理由を切っ掛けに、仲を深める事に成功した。

 それからしばらくの間、私は彼女に夢中だった。最早件の少年魔術師の件についてなど如何でもよくなっていたのだが、ある日私の存在が呼び寄せてしまったのか、人影がほとんどいない森の中ではぐれ悪魔と言う存在に遭遇してしまったのだ。
 普段の私であれば魔術師であろうともそこは英霊、どこぞの弱いはぐれ悪魔の1体容易に蹴散らす事も出来たのだが、最近は彼女の事もあって魔術師としての仕込みや準備など何もかも忘れていて、彼女を庇いながら避ける逃げるの防戦一方で、このままいけば彼女と共に殺されるのは必然であった。

 そんな時に、件の少年魔術師が現れて助けてくれたのだ。
 しかし、死に際に際してそのはぐれ悪魔の呪いを受けた彼女は、瀕死の状態に陥ってしまった。
 如何すればいいのかとパニックに陥った私だったが、彼の異端魔術の力により彼女は救われた。
 見返りも要求せずに彼女を助けてくれた彼の姿に魔術師らしからぬ罪悪感を感じた私は、彼と遭遇してからの事を暴露した。何も隠さず正直に。

 それにも拘らず少年は笑顔で許してくれた。
 だが何故許してくれたのかと問うと「今でも思っているのなら口にはしないだろうし、今では罪悪感が有るんだろう?ならばそれで十分じゃないか」と――――。
 少々危うげな考え方だったが、私はその少年魔術師の歪なれど大きな器に救われた。

 それ以来、私の根幹である優先順位に大きな変動が起きた。それが以下の順だ。
 第一位、彼女自身と彼女との生活。
 第二位、件の少年魔術師の安否。
 第三位、件の少年魔術師の家族。
 第四位、自分自身
 第五位、件の少年魔術師の家族同然の友人達
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