暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
黒守黎慈とフェンサー(3) ─譲れないモノ─
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
よ、ほんとに。普段何してるかとか、学園での出来事とかをつらつらと話しただけなんだ。
 ……あー、でも。最後に会った時、面倒くせえこと言っちゃった感じはある」
「なんなの、それ」
「聖杯戦争とかじゃなくてさー、もっと楽しいことしようぜ! みたいな」
「はあ……よくわからないけど、それで反感を買ったのかしら」
「話してたときはそんな風には見えなかったがなぁ。内心ムカついてたんだろうか」

 彼女の本心を推し量るなど、所詮他人の俺には到底無理な話だ。

 けどいつ執着を持たれたか、興味を持たれたかで言えばあの時の会話が原因な気がする。
 彼女が今まで踏み込まれたことのなかった、不可侵の領域に侵入したのかもしれない。

(でも戦ってるときも憎まれてるような気はしなかったんだけどな)

 間違いなく殺し合いではあったが、そこに悪意は感じられなかった。
 それこそ戯れのつもりだったのかもしれないし、まるで本気なんて出していなかった可能性も十分にある。

 いくら考えても、今夜のイリヤの真意は分かるはずもなかった。

「とりあえず、これからの事を話しましょうか。マスターは単独行動時、何かあれば些細な事でも報告すること。これは義務です、いいわね?」
「わかった。そのせいで仕掛けられたんだしな。情報共有はちゃんとする」
「次にバーサーカーについてだけど……アレはダメね。私たちだけじゃ絶対に太刀打ちできない」

 それは最初に遭遇したときから結論が出ていた。

 単騎であの狂戦士を下せる英雄など、世界全体でみても極少数だろう。
 故に打倒するには複数のサーヴァントの協力が不可欠だ、特に白兵戦に長けたサーヴァントが一人は必要になる。
 二騎でも勝機は薄いと言わざるを得ない。今回の聖杯戦争において、真っ向勝負では最強と言って間違いない英霊だ。

 幾つもの策と搦手、宝具の全投入、あるいはマスターを制圧して令呪を放棄させるしか手段はない。
 入念な事前準備と全戦力を懸けた決戦でなければ、バーサーカー撃破は夢のまた夢という他ないだろう。

「でもさっき宝具を使わずに一度殺すところまでいったんだろ? 俺としてはそっちの方も信じられないんだが」
「私が魔術にも長けているのは知っていると思うけど、その中でも切り札級の概念魔術を使ったのよ。対魔力のないサーヴァント相手なら宝具に匹敵するくらいのね」

 そんな馬鹿な、キャスタークラス形無しじゃないか。

 魔力消費も宝具使用に匹敵するくらいだと推測出来るが、宝具と同等の攻撃手段を得られるなら消費量は問わない。
 キャスターも同じ事が可能だからこそ柳洞寺に拠点を作り、町の人々から吸い上げた魔力を蓄えているんだから。

 フェンサーはクラス無しで召喚されたことになってい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ