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Round《7》〜デットリィ・ワールド・デッドエンド〜
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デュエルしたことがあるのだ。

 強かった。レベル的にはまだあの世界のSAOの攻略が進んでいなかったこともあって大きな開きがあったものの、並ぶものはないと言われたシャオンのスピードに追い付いてみせた。

 シャオンは、仲間や友人を冒涜されることが大嫌いだ。あの戦いで確かに芽生えた《月の剣士》との友情を糧に。

「決めた。お前絶対ぶっ飛ばす」
「やってみな。逆にぶっ飛ばしてやんよ」

 ニタリ、と嗤う『ジン』。

 先ほどまでの興奮はどこへ行ったのか。冷徹な感情が自分を支配していく事を感じながら、シャオンは二本の剣を構える。六本の剣を《ソードユニゾン》して作り上げた最高の二刀で、かの者を打倒すのだ、と決意して。

 対する『ジン』は、ジンの刀と、もう一本……どこかで見たことのある気がする白い剣…シャオンは与り知らぬことであるが、それはリンの《ソード・オブ・ヒーロー》である…を構えた。相手も二刀流だ。

「お前も《二刀流》スキルの使い手なのか!?」
「さぁて、どうだろうな」

 ニタニタ嗤いを鎮めない『ジン』。相手の情報が少なすぎて、何を使うのかが想像できない。

 もしここでシャオンが、ジンに対する情報を持っていたのであれば――――彼が二刀流を行うのは、リンから奪い取った《英雄剣》を始めとする、複数の二刀装備可能スキルの効果であると分かっただろう。シャオンがそれを知らずとも、もし観客席と連絡を取る方法があったのであればそれでも可能だ。

 だが、システム上観客席と連絡を取ることはできない。故にシャオンは、観客席で悲鳴を上げるフローラと連絡を取り合うこともできない。

 【デュエル!!】

 しかし戦いは開幕する。閃光が奔ると同時に、シャオンは己の根源をなすスキルを起動させた。

「《SEED Mode―ExtremeAccel》!!!」

 シャオンの瞳が青く輝く。みなぎる全能感。ステータスが一気に向上しているのだ。特にシャオンの象徴ともいえる、その圧倒的な敏捷値(アジリティ)が、より高く。より速く。

「トップスピードで……振り切るぜ!!」

 バァン!! 大気が破裂する音がした。

 シャオンのスピードは、このデュエル大会の中では最高速度に達していた、と言っても過言ではないだろう。出だしでそれである。どんどん加速していくため、その速さは異常と言って差し支えないだろう。

 繰り出すのは《連二刀流》上位ソードスキル、《ルナティック・スターブラスト》35連撃。神速の斬撃達が、月光の如く降り注ぎ、敵を圧倒する剣技だ。

 しかしジンは、それを見ているにもかかわらず微動だにしない。否、もはや姿が掻き消えるまでとなったシャオンを、見つけられていないのか。

 そしてさらに加速したシ
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