暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《7》〜デットリィ・ワールド・デッドエンド〜
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 《純白の英雄》リンの敗北は、観客たちに凄まじい戦慄を覚えさせた。彼は全世界のSAOプレイヤーの中でも最強クラスの存在だ。それと苦も無く倒してしまった、『ステータスを奪い取る』力を持ったプレイヤー、ジン。

 本来であればコピー不可能である技能ですら、『この技能を習得したのは自分である』と改変させることで、使用はできずとも…できるのかもしれないが…奪い取ってしまう。文字通り、彼と敵対したプレイヤーは、自分を構成するステータス全てを奪われてしまうのだ。

 そんな騒乱の中で、準決勝の組み合わせが発表された。

 第一試合、《蒼藍の剣閃》シャオンVS《英雄》ジン。
 第二試合、《聖女》クロエVS《光と闇の皇子》タツ。

 集ったのは一騎当千のツワモノたち。その誰もが、敵対者を討てる可能性を秘めている。

 誰が勝ち残るのか。観客たちが見守る中――――

 今、準決勝の幕が上がる。



 ***



 ――――ついにここまで来たぜ。

 シャオンは内心でガッツポーズを取っていた。トリッキーな薬師を下した一回戦。幸運少年を下した二回戦。次はあの《月の剣士》と同じ名前のプレイヤーだが、彼を倒せばいよいよその先は決勝。そこでも勝てば優勝だ。

 焦りは禁物だ。だが高鳴る興奮を抑えることは難しい。

 ――――ここまで来たんだから、いい結果を残したいなー……。

「よっし! トップスピードで振り切るぜ!」

 シャオンが己の頬を叩いて気合いを入れるのとほぼ同時に。

『プレイヤーネーム《シャオン》VS《ジン》を開始いたします――――』
「よっしゃぁ、《ソードユニゾン》!」

 控室にアナウンスが入る。転移光が輝く。その中に勢いよく飛び込んだシャオンは、コロシアムのゲート付近に出現した。

 フィールドへと入場すると、ほぼ同時に反対側のゲートからもやってくる人影。

 薄銀色の髪と、赤と青のオッドアイ。青っぽい服装に、腰には三本の剣を挿している。

 と、そこでシャオンは、その三本の剣のうち、一本に見覚えがあることに気が付いた。青色の空のようなその刀は――――《月の剣士》のほうのジンの武器だ。

「お前……! その、青い刀は……ッ!」

 戦慄と共にシャオンがうめく。それに気が付いたのか、対戦相手――――『ジン』はにやり、と笑って、腰の刀をたたいた。
 
「ん? ああ、この刀か? 一回戦の相手にいただいたのさ。いい剣だな。軽いし、プライオリティが高い。あいつなんかにはもったいない剣だ」
「……あいつなんか、だと……ッ!?」

 シャオンは《月の剣士》ジンと面識がある。フローラとの新婚旅行の時に異世界めぐりをしたことがあるため、その先として《月の剣士》の世界に滞在した時、
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ