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リリなのinボクらの太陽サーガ
衝突
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ことにならん。出来るのはせいぜいあいつらの尻拭い程度だ]

『でもさぁ、もし取り返しのつかない事態が起きたりしたら……』

[そのためにいるのだろう? 案ずるな、もしもの時は出る]

『出来ればお兄ちゃんにもあんまり無茶してほしくないんだよね……。私も憑依させてもらってるわけだし』

[フッ、ある意味一蓮托生だな]

『いちれんたくしょー? 国語習ってないからわかんない……って、あれ!』

意味を訊こうとしたアリスが驚愕の面持ちで指をさす。封印されていたジュエルシードが二人の魔法戦闘の余波を受け、再び暴走してしまったのだ。その勢いは凄まじく、再度封印を試みたフェイトと高町なのはのデバイスが弾かれ、あまりの威力に砕けてしまう程だった。しかも衝撃が加わった事でジュエルシードの暴走が更に激しさを増してしまった。

『マズッ! あれ次元震が起きちゃってるよ!!』

[おまえの知識曰く、空間に作用する地震みたいなものか。確かその威力は星も崩壊させる程らしいな。やれやれ、後始末役も大変だ]

『え〜っと、お兄ちゃんや。もしかしてあの時と同じことをまたしようと思っていませぬか?』

[似たようなものだ。悪いが付き合ってもらうぞ、アリス!]

『にゃ〜!? やっぱりぃ〜!!』

わめくアリスを無視し、暗黒転移でおれは暴走しているジュエルシードの正面に降り立つ。ジュエルシードの近くではデバイスを解除して素手で挑もうとしているフェイトをアルフが止め、高町なのはとユーノは呆然と無力感の面持ちで見上げていた。そこにいきなり転移してきたおれの姿を見たフェイトとアルフは失敗がバレた時のように気まずそうな表情を浮かべ、高町なのはとユーノは驚いてすぐに「何をするつもりなの!?」と言いたげな目を向ける。
それら諸々を無視して、おれは弾き飛ばされそうな程の突風が吹き荒れるジュエルシードに駆け寄り、暗黒銃から暗黒スプレッドを放つ。銃から放たれた闇が光の奔流を飲み込もうとせめぎ合う。

おれに出来る手段では魔力を消失させる暗黒物質を操るこの銃でしか、この緊急事態に対処できる方法はない。先にバッテリー・カオスの残量が尽きるか、ジュエルシードの暴走が止まるかの駆け引き。もし先にバッテリーが尽きたら暗黒チャージを使うしかないが、はっきり言ってあれは反動が激しい。右腕の火傷がここに来て痛み始めるが、それは耐えればいい。この場は暗黒銃で暴走を抑えられるのが最も望ましい結果なのだから。

「唸れっ!! ガン・デル・ヘルッ!! ヒトを滅ぼす闇の力よっ!! あんこぉぉぉく!!」

暗黒スプレッドに加えて体内のダークマターをも利用して作った極小規模だが空間に穴を開けるブラックホール、次元世界を揺るがすエネルギーの源泉。ベクトルが似ているようで違う力の衝突
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