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リリなのinボクらの太陽サーガ
衝突
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でもアルフ……ジュエルシードをちゃんと全部集められなかったのは、私のせいだから……悪いのは私だから……」

懇願するようにフェイトは言うが、おれには誰が悪いとか根本的にどうでもよかった。目線をアルフに向けると、彼女は一瞬驚いた眼をしてすぐに頷き、部屋の外にボロボロになっても母を擁護しようとするフェイトを運んでくれた。その途中、せっかく買ってきたケーキ箱が潰れているのが視界に入り、虚しさを込めてため息をつく。

とにかく幸か不幸か、これで気がかりは無くなった。後は……、

「さて、プレシアと言ったか。偶然と成り行きでフェイトと関わる事になったおれだが、あいつとはそれなりに上手くやれていてな。この世界の数少ない理解者を傷つけるなら、例え相手があいつの母親でも関係ない、止めさせてもらうぞ」

「あら、あなたに出来るとでも? 大魔導師と呼ばれたこの私、プレシア・テスタロッサを倒す事が?」

「自分の力に絶対の自信があるようだが、それが自惚れとなって致命的な隙を作る。かつてのおれのようにな」

「? 何を言っているのかしら?」

「わからないなら見せてやろう、これが闇の力だ! あんこぉぉぉく!!!」

「ッ!!?」

魔力と違う力、ダークマターが目に見えてサバタの手に集まって来る光景に、プレシアは自分の目を疑った。更に暗黒チャージで力を増幅させたサバタの目の深淵から、自らに匹敵する程の狂気が潜んでいる事を本能が察知し、一歩後ずさる。

「(ッ! この私が気圧された!? そんな馬鹿な……条件付きとはいえSSランクの実力を持つ、この私が一瞬でもこんな少年に!?)」

「来たっ! 来た来た来た来た来たぁー!! 行くぞっ! 行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞぉ、プレシア!!」

「(でも彼がどんな力を扱おうが、私は倒れる訳にはいかない! 目的を果たし、あの子をもう一度抱くその時まで!! 絶対にッ!!!)」

「魔導と暗黒、雌雄を決す!! 魔導よ、恐怖しろ!!」

サバタからブラックサンが放たれ、部屋の中が暗闇に閉ざされる。そのまま光の当たらない空間で、暗黒少年と大魔導師が自らの持てる力を衝突させた……。

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