暁 〜小説投稿サイト〜
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Round《2》〜パラドックス・プレイヤー〜
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速さでセモンへと迫り――――


「うわっ!」
 
 ――――その一撃目で、セモンのHPがゼロになった。

「……は?」

 無数のポリゴン片となって霧散していく対戦相手を、リンはあっけにとられた表情で見つめる。

 馬鹿な。

 いくら《英雄剣》が強くて、武器が強くて、リン自身が強くても、たった一撃で沈むなんて明らかにおかしい。武器につけたエクストラ効果を相乗してもだ。

 絶対に変だ。そして何より――――

「……セモンって、こんな弱かったっけ?」

 この程度のプレイヤーなら、ライトやダークと組んで戦うとかどう考えても不可能だ。いや、お荷物のように引っ付いていたなら問題ないが、あの時確かに彼は、組んだ相手と『共に』戦っていたはずである。

 よくよく思い返せば、セモンの装備はどこかみすぼらしかった。記憶の中の彼とは異なる。

 そして――――彼の得物は、()()()()()()()()

 つまり、明らかに不自然。

 まさか《神話剣》以外のスキルによる分身か――――?

 そんな風に思案して、警戒を強めたものの。

 【Third―Battle:winner is RIN!!】

 リンの勝利を告げる表示が出現した瞬間に、それらは徒労へと変わったのだった。

 ――――あれ……?

 釈然としない何かを感じながら、リンは控室へと戻っていった。



 ***



 一方、第四回戦を間近に控えた参加プレイヤー、リオンはと言うと。

「対戦相手、結局わかんなかったな……」

 控え室の天井を仰いでうめいていた。

 参加要項や、当選発表に描かれた参加選手一覧には、リオンと対戦するプレイヤーの名前が【???】となっており、隠されたままだったのだ。一週間の準備期間の間に、ルスティグは対戦相手のシャオンの事を大分研究したようだったが、対戦相手が分からないリオンはそれが全くできなかった。

 取りあえずひたすら《投擲》用のアイテムを補充&メンテナンスし、どんな相手が来ても戦えるように備えてはいるのだが。

 もし《漆黒の英雄》とか《翡翠の剣士(完全体)》とか言ったドチートが出現したら、レベル80代のリオンではなかなか厳しい戦いになるだろう。というか勝てない。

 願わくば、まともなプレイヤーが対戦相手でありますように――――

 そう、信じてもいない神に願っていると。

『――――それでは第三試合、プレイヤーネーム《リオン》VS《ハク》を開始いたします。お二人はコロシアムに強制転移させますので、四十秒で支度をしてください』

 ついに、その名が呼ばれた。

 四十秒の間に、対戦相手に
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