暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《2》〜パラドックス・プレイヤー〜
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鳴った。出番だ。

「よっし、行くか!」

 リンは二本の剣を再度抜き放つと、真っ白い転移の光に飛び込んだ。

 
 光が収まると、そこは古代ローマのコロッセオを彷彿とさせる闘技場、その選手入場ゲートだ。どことなくアインクラッド第七十五層の主街区、《コリニア》にあるコロシアムに似てなくもない……が、何なのかよくわからない謎の素材で作られていると言う点で、大きな差異がある。

 ゲートを出れば、もうそこはリングだ。広すぎず、かといって狭すぎもしないその場所の、今リンが立っている場所から見て丁度対角線上に当たる場所に、既に一人のプレイヤーが立っている。

 ぼさぼさの茶髪に、緑色のバンダナ。人懐っこそうな顔と、和風コートとでも言うべき装備。得物は刀――――

 ――――ん?

 そのときリンは、奇妙な違和感を感じた。無限の記憶の中から、その招待を掴もうとしていると。

「えっと、あんたが《純白の英雄》リンか?」

 セモンが語りかけてきた。その表情はさえない。かつて見たその顔と比べると、なんと覇気のないことか。

 ―――セモンって、こんな奴だったっけ?

「おう、俺がリンだ」
「そっか。知ってると思うけど、俺はセモン。《二重(ダブルスキル)》のセモンだよ。よろしく」
「お、おう。宜しく……?」

 ――――二つ名が、《神話剣》じゃない……?

 リンは彼の世界で冒険したことがあるわけではないので、セモンの異名の一つなのだろう、とは推測できても、それが何なのかまでははっきりと掴めなかった。

 それに、そんなことはこの戦いには関係ないだろう。

 今はただ――――

「勝つことだけを考えていればいい」

 リンとセモンの間に、半透明のウィンドウが出現する。表示されているのは、デュエル開始までのカウント。

 減少していくその数字を眺めながら、唯々、勝負が開始されるのを待つ。

 そして。

 【デュエル!!】

 カウントは、零になった。閃光が弾ける。デュエルスタートだ。

「いっくぜぇぇぇッ!」

 スキル、《翔翼神》を発動。リンの背中に、十対の翼が姿を現す。純白の装備と相まって、それは死の宣告を下す天使か――――

 音速をこえるスピードでセモンへと肉薄し、ソードスキルを発動。その一連の動作に、かの茶髪の刀使いは全く対応できていない。

 《英雄剣》専用ソードスキル、《ヒーロー・アブソリュート・レボリューション》。五百連撃をたったの八秒で繰り出す、最速級ソードスキル。

 その速度は、対をなす《勇者剣》のソードスキルよりなお速く。

 その威力は、現存する全てのソードスキルを上回る。

 文句なしに最強クラスのソードスキルは、目も眩むような
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