暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第110話 おでん……温めますか?
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なくレギュラーで通用する逸材揃い。
 外野はライトとレフトはいない方がマシ、と言うレベルなのですが、外野の何処にフライが上がってもすべてセンターフライとして処理して仕舞うセンターが居たので、ここに関しても何の問題もなし。……センターが、どう考えても常人では考えられないレベルの能力を示している点については目を瞑るとして、()()()()、なのですが。

 もっとも、ここはどう考えても女子野球部の強い高校と言う訳でもない。まして、このチームに居るのは全員、文芸部所属の女生徒たちとは思えない能力を示していたのですが……。
 試合展開はここまでの三試合、すべて同じ。一番から七番までの豪打爆発で全試合三回コールド勝ち。もうこれでもかっと言うぐらいに打ち込んでの圧倒的大差による勝利を重ねて来た我らが一年六組。
 当然、二年生のチームの相手をして来たし、直接、野球部に所属している生徒は存在して居なかったけど、それでもサッカー部のレギュラーとか、バスケ部、バレー部などに所属している生徒もいた。そして、現実的に考えて見ると、男子と女子の肉体的な能力差は如何ともし難いはず。まして、ここが甲子園の御膝元、西宮だと言う事を考えるのならば、これまでの人生で一度も野球に接した事のない男子生徒が居るとも思えないので……。

 このメンバーを主力とした硬式の女子高校野球のチームを結成すれば、来年の夏の大会では全国制覇を間違いなくして仕舞う……。
 確か女子高校野球の全国大会は兵庫県の何処かで開催されていたような記憶が……。
 そんな、現実にはあり得ない妄想を浮かべながら、真っ先にマウンドから駆け下りて、三塁側の応援して居るクラスメイトの前でチアガールとハイタッチを交わすハルヒを見るとはなしに見つめる俺。
 当然、その派手な勝ちっぷりがクラスの連中に知られる毎に。そして、他の競技に参加して居た連中が敗退して行く毎に増えて行くギャラリー。最初は朝比奈さんだけの応援だった物が、今ではクラスの女子のほぼ全員と、その友人関係一同が応援に訪れていると言う、何と言うかあまり宜しくない状態へと移行していた。
 故に、妙にかしましく、更に歓声や喧騒に黄色い色が着いて居る次第となったのである。

「それで、みくるちゃん。決勝の相手は何処に決まったの?」

 ただ……。
 ただ、流石に女子高校野球の大会に出場するのは問題が有り過ぎますか。そもそもこのメンバーは異能者が多すぎて、こんなメンバーで真面な大会に出場するのは真面目にスポーツに頑張って居る皆さんに失礼過ぎますから。
 相も変らぬ思考はダッチロール状態。まぁ、妙に薄学。決して博学などではなく、薄い学問。しかし、薄くても広い知識があるので、色々なトコロへと関連付けて思考を無限に広げて行けるのは悪い事で
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