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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico6優しくない世界〜The Fate of Rusylion〜
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「・・・優しいか厳しいか、どちらかにしてくれよ・・・」

「何か言いましたか?」

「いいや。ではな、リアンシェルト。いつか必ずお前も救ってみせる」

「・・・・そうですか」

小さな声で返事をしたリアンシェルトに背を向けて執務室を出、そのまま運用部オフィスを出る。そして近くの休憩所へと入り、誰も居ないことを確認してから壁をガツンと殴った。壁に傷は付かず、痛みだけが俺の左拳に返って来た。

「くそ・・・」

ベンチへと座って両手で顔を覆って俯き、大きく溜息を吐く。と、≪PiPiPi≫通信コールが入った。俺の面前に展開したモニターを操作して通信を繋げる。

『ルシル君? はやてです。今時間ええかな?』

「あ、ああ・・・うん、大丈夫。その安堵の顔からして、シグナムとヴィータは大丈夫そうだな」

通信を入れてきたのははやてだった。少し目が赤いところを見ると泣いてしまったようだが、表情は穏やかだ。だからシグナムとヴィータは無事だと確信した。もし2人の身に何かあればもっと悲痛な表情・・・というよりは、はやてではなくリインフォースかシャマルから通信が入るだろう。

『うん。シグナムもヴィータも無事やよ』

『ルシリオン。シグナムだ。心配を掛けてしまったようだな。すまない。だが私は無事だ』

『おう、ルシル。あたしも問題ねぇよ』

頭やら腕に包帯を巻き、頬に大きな絆創膏を貼ったシグナムとヴィータがはやての両側から顔を覗かせた。血色も良いようだし、本当に無事なんだと判った。

『それとな。フィレスさんとセレスちゃんも居って・・・。けど、2人や他の隊員さん達もみんななんとか無事やって』

「そうか。良かったよ」

死者が出なかった。それだけが救いだ。はやてとリインフォースはこのままシグナムとヴィータに付き添うそうだ。最後に『ルシル君。研修、頑張ってな』はやてからの応援を聴き、通信を切った。

「問題は山積みだが、それでもまだ取り返しの付かない事態には至っていない。・・・大丈夫、大丈夫だ・・・」

そして俺は、遅刻確定となっている内務調査部への研修を受けるために、「行きますか」調査部オフィスへ向かうことにした。



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