暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン ≪黒死病の叙事詩≫
≪アインクラッド篇≫
第一層 偏屈な強さ
ソードアートの登竜門 その伍
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 本来なら俺は此処、第一層迷宮区最上階である二十階には来ない予定だった。
 何故真昼間から此処にいるのかと言うと、前日に攻略会議に参加したこと、そしてインディゴにデュオを誘われたことが理由だ。迷宮区には顔を出さず、今まで手頃なダンジョンでレベル上げしていた俺にとってはこのタワー状の迷宮区という名のステージは新鮮で面白いものだった。

 そんな俺の横でインディゴは、俺の反応に一一(いちいち)突っ込みながら合わせてくれる。

「ひえぇ、奥に行けば行くほど薄暗いなぁ。広大な分、東南のダンジョンより不気味だぜ」
「そう? 面積は広いから見通しが良い。見通しが良いから敵の発見が早い。良い事尽くめじゃない」
「いや……俺のビルドじゃ最悪の環境っぽいな……。ソロだったら此処にキャンプは到底無理だ。隠密が弱すぎる」
「あら、じゃあデュオで良かったわね。ふふ、感謝しなさいよ」

 実際アサシンの俺はインディゴに感謝せねばならないだろう。ソロでは攻略不可能なエリアに狩りに(おもむ)けるのは、ひとえにこの藍色タンクのおかげなのだ。インディゴの提案した戦術により俺のビルドの弱点は完璧に埋まったのだから。
 その戦術、というのはインディゴが敵の標的率(ヘイト)を上げ、そのうちに俺が背後に回って最大火力のソードスキル≪(パニッシュメント)≫で静かに刺す、というものだ。するとあら不思議。敵は唐突の後方からの攻撃に反応できずにマックスまであったHP(ヘルス)が頭からつま先まで真っ赤に染め即爆散する。

 感想としては凄く効率が良い。同時に複数相手しても良いし敵が単体ならドット単位のダメージも受けないで済む。ビルドの相性もいいが、なによりも素晴らしいのが連携が取れていることだ。

 元々俺の畑であるRTSでは集団戦ができないとゲームをやっていけない。だから集団戦(チームワーク)には自信があるのだが、俺のプレイヤースキルに合わせられなくて集団戦で失敗する、ということがRTSではあった。強気な俺に弱気な味方、そういうチームだと集団戦を始めるつもりで俺が敵に突撃(インベード)しても味方が付いてこずに五対一で即死、というのがままあった。そうなると数で勝つ敵が一気に攻め上げてゲームセットとなる。
 つまりは、連携を取れる取れない、性格の相性の良し悪しで戦闘力が大幅に変わる。連携が取れないと一人の時より弱体化するし、連携が取れると二人でも三人相手に勝利することがある。

 これはSAOでも言えることだ。連携の相性がパーティーの強さを決める。

 その点では俺とインディゴのデュオは相当の戦闘力を誇ると言えよう。戦闘スタイルこそタンクとアサシンで違うものの性格は似ているようで攻撃的だ。SAOでのタンクは死にたくないという気持ちの現れだ、というのがこのデスゲーム
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