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仮面ライダー真・智代アフター外伝
二話「記憶」
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?それよりも、お腹は空いていないか?先ほど朝食の支度が出来たところなのだが……食べるか?」
「……」
しかし、俺は少なからず遠慮があった。今まで俺が取らされていた食事は、カプセルの粒か、固い栄養食だ。目の前に出された食事は、それらの物とは対称的に、柔らかみのある温かそうな食べ物だった。
「嫌いな物でもあったか?」
「いや……写真でしか見た事のない食べ物だから」
施設では、一様目の保養と言うこともあり、研究員が様々な画像を俺に見せてくれた。そのなかで、俺以外の人間達が食べている食物がこういった物らしい。当初、食事の希望を出しては見たが、俺の味覚には合わないと言われて断られてしまった。
しかし、見た目が旨そうなため、不味くはないと思いたい。
俺はなれない手つきで箸を持って茶碗を手に米と、おかずを口へ運んだ。
「……温かい」
食事をして最初に出てきた言葉が、飯の温かさだった。
「旨いな……」
そして、研究員からの評価とは裏肌に、心地よい食感があって、どれも始めて味わう物だが不味くはなく、むしろ美味だ。
「そうか、口にあってよかった!」
ご機嫌になった彼女はドンドン俺に飯を進める。俺も、もっと食事をするべく、遠慮せずに朝食を頬張った。
「しまった!もう、こんな時間か……」
すると、彼女は立ち上がるとエプロンを外してスーツ姿になる。
「どうした……?」
「すまない、そろそろ出勤しなくてはいけない。お前は、ここに居てくれ?」
そういうと、急いで玄関で靴を履いて部屋を出ようとした。
「おい、俺はどうしていれば……」
いくら居候の身とはいえ、何もしないのは申し訳ない。
「私が返ってくるまでこの部屋を出るな?あと、昼食は冷蔵庫の中から適当に食べておいてくれ?」
それだけ言い残すと、彼女は出て行った……確かに俺が外へ出て、あの「姿」をさらけ出せば、彼女に多大な迷惑をかけてしまうだろう。ここは、大人しくこの部屋で引き籠っているよりないか?
俺は、畳へゴロンと横たわって、卓袱台に置いてある新聞を手にした。
外の世界には前々から興味があったため、施設を抜け出したからには、しばらく外の情勢に目を通さなくては。
「……?」
しかし、新聞の表記事にカラーで乗っていた一面を見て、俺は目を丸くして記事を見つめた。
「……女性連続殺人事件?」
それは、とある怪奇事件で、夜になると幾人もの女性が何者かに背後から襲われて殺害されると言う出来事だ。それが、ここ一カ月の間に11件も起こっている。
物騒な事件だと思うが、それ以前に俺はこの事件に深くかかわりがあるのに気づく。
数日前の事はあまりよく覚えていないのだが、昨夜の事は今でも頭に残っている。
俺は、異形の姿となり智代を襲おうとした。なら、もしや俺は智代へしたような事を以前にも犯していたの
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