暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
78話:そのトラウマを乗り越えろ
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管制を担当するです!」
「んで、俺はヘリで指揮と非常事態への対応が主だ。現場は頼むぜ」
「「「「はい!」」」」

返事を返した四人は、それぞれ自分の新しいデバイスを見つめたり、少し緊張した面持ちでじっとしていた。

「…キャロ、今いいか?」
「は、はいっ!」

その中で、両手を握って若干俯いていたキャロを呼ぶ。キャロは何か考え事をしていたのか、ビクッと驚いてこっちへやってきた。
まぁ、考えていた事はおおよそわかるけどな。やってきたキャロを隣のイスに座らせて、その目をのぞき込む。

「…怖いか?」
「っ…」
「自分の、味方をも傷つけてしまう、その力が」

キャロはその言葉に、顔を俯かせる。直前で見えたキャロの目には、確かに不安と…恐怖の色が浮かんでいた。

「はい……でも、士さんが言ってくれた事を、忘れた訳じゃないです」
「ん…?」
「私の力は、傷つけるだけじゃなくて、誰かを守る事もできるって」

うん…確かに言った。

「だから私は、怖いけど……ちゃんと守れるって…」

そう言って俺を見上げるキャロの顔には、前途の二つの他に、別の感情が見て取れた。それは不安や恐怖といった負の感情じゃなかった。
キャロは今、前を見ようとしている。過去に起きた事で後ろへ歩くのではなく、それでも前に……未来に進もうとしている。

「ん、わかった」

俺はそう言って、キャロの頭を撫でる。撫でられたキャロはきょとんとした様子でこちらを見上げてきた。

「ちょっと危なそうだったら、戦線から外すつもりでいたんだが…そういう想いがあるなら、大丈夫だろう。だけど忘れるな。なのはもさっき言ってたように、俺達はいつでも側にいる。お前の力は、皆を守れる優しい力だ」
「…はい」
「大丈夫、お前は強いよ」

それを聞いたキャロは再び「はい…」と言うと、またも顔を俯かせてしまう。しかしその両手は強く握られていて、キャロの決意の強さを物語っていた。

「ま、気負いはするなよ。リラックスリラックス」
「は、はい…!」
「さ〜て新人共、隊長さん達が空を抑えてくれているおかげで、安全無事に降下ポイントに到着だ。準備はいいか!?」
「もう着いたか…ほら、キャロ。行って来い」
「はい!」

席を立ったキャロは揺れるヘリの中を走って行き、エリオとフリードがいるところに向かっていった。
ヘリの開け放たれたハッチのところに、スバルとティアナの二人が立っていた。

「スターズ3、スバル・ナカジマ!」
「スターズ4、ティアナ・ランスター!」

「「行きます!」」

一緒に飛び降りて行った二人は、その途中でデバイスを起動。バリアジャケットを展開する。あ〜ぁ、だから言わんこっちゃない。部下がマネしちまった。
そう思っている
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