暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
78話:そのトラウマを乗り越えろ
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士は次にキャロに声をかける。自分はそんなに凄いことをしたつもりはないのに、べた褒めされてなんだか嬉しくなってしまったキャロは、少し顔を俯かせた。

『スバルやティアナも頑張ったし、終わったら美味い飯でも食わせてやる。うんと腹減らしとけよ、お前ら』

その言葉に思わず顔を綻ばせるライトニングの二人。ご褒美に士の料理だなんて、なんて贅沢な……と頭の中で思ったが、あることを思い出し気を引き締める。
まだ車両の上には、怪人が残っているのだ。まだ任務は終わっていない。

『大丈夫、後は俺に任せろ』

そんな二人の心境を読んだのか、士はそう言って自らのデバイス―――トリックスターを取り出す。

『―――安心しろ、キャロ』
「え…?」

士はトリックスターを手にしたまま、顔をキャロに向けて再びキャロに声をかけた。

『お前のもう一つのトラウマ≠焉Aちゃんと乗り越えられる。今日はその為の一歩に、俺が手を貸してやる』

だから安心して、そこで見ていろ。
そう言う彼の表情は、キャロが今までに見たことのないような、満面の笑顔だった。






「さてと、こっちはすること終わったし…始めようか」

手にしていたトリックスター、愛称トリスを腰に当てる。
ベルトへ変わったことを確認し、手を離して左手を左腰にあるライドブッカーに伸ばす。

怪人の方はというと、何かを探すように辺りを見渡していた。

「多分だが、お前さんの探し物はこの下だぜ?」

士はそう言って、足のつま先で車両の天井をトントンと叩く。そこは確かに、スバル達が怪人を追い出した車両だった。
目標の前に邪魔者。そう思ったのか、怪人は士を敵と見なしゆっくりと戦闘態勢に入った。腰を少し下げ、両手を横に広げる。

「よしよし、それでいい」

士はそれを見て笑みを浮かべる。勿論これはキャロ達に見せた物じゃない。
左手で取ったライドブッカーを銃へと変形させ、右手に持ち替えて指でクルクルと回す。

「それじゃあ……来い」

回すのを止め、士はガチャリと銃口を向けてそう言い放つ。

それと同時に、怪人は士に向かってまっすぐに突っ込んで行った。





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