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〜銃声と硝煙の輪舞〜
黒峰邸
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な無機質な笑みを浮かべたまま、老人は甚平の裾を軽く揺らしながら薄暗闇の奥に消えていく。

蓮と木綿季は顔を見合わせてから、次いで背後の男達を振り返った。

八伎は優雅に一礼し、木瀬はフン!と鼻を鳴らした後にアゴをしゃくった。

ここから先は二人きり、ということだろうか。

正直、厳ついこの男達について来られなくて安心しなかったと言われれば嘘になるかもしれない。何はともあれ一安心である。

暗闇の中に消え去りそうな重國の背中を追って、だだっ広い廊下を歩いていく。

全く人影はないが、しかし何者もいないという事ではないらしい。固く襖の閉ざされた幾つもの部屋の向こうから、決して少なくない量の気配がある。

ここじゃ、という言葉とともに重國に案内させられたのは、何というか大昔のヤクザ映画に出てくるような、百畳くらいありそうな細長い部屋だった。一番最奥部は一段高くなっており、うっかり汚れを付けたらそれだけで人生を棒に振りそうな座布団と掛け軸、さらには本物とは信じたくない大小二振りの日本刀が鎮座していた。

さらにその前には、こちらもクソ高そうなフカフカの座布団が二つ。

二つの座布団をすすめられ、木綿季は腰掛け、蓮は車椅子をロックしたままにとどまった。この高そうな座布団の感触をちょっと味わってみたかった、というのはさすがに貧乏性過ぎるだろうか。

老人は、割と真剣に悩む少年を放っておいて、最奥の座布団によっこらと腰掛けた。どうでもいいが、そうやって一段高いトコに座って背景が掛け軸と日本刀だと、どこかのお殿様に見えなくもない。これで服装が甚平でなければ完璧なのだけれど。

「さて、改めて久し振りだの、二人とも。SAO以来じゃろうか」

「ん〜、そーだね」

そう言われれば、ALO事件後に兎轉舎(とてんしゃ)であったパーティーにも眼前の老人は参加していなかったような気がする。

「それで、わざわざ僕達を呼び出した理由は何なの?《財政の怪物》さん?」

その言葉に、少しだけ老人の目が見開かれる。

ほぉ、という意外そうな呟きが漏れ、重國は真っ白な顎鬚を撫でた。

「知っておったか」

「知人がそういう事に強くてね」

主に隣人のヒキコモリ天才プログラマーが。

その手口を知っている紺野木綿季は「あー」という感じで頭を抱えている。

「黒峰財閥といったら世界的企業。引退したとはいっても、名誉会長のシゲさんだったら、たいていの事はできるでしょ」

「いやはや、そこまでか」

クックック、と面映ゆそうに笑う老人は心の底から面白がっていた。

何というか、実に楽しそうな老人であった。

「現実世界でも良い友人に恵まれておるなぁ、君は」

「「???」」

特別この老人が蓮の
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