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東方変形葉

作者:月の部屋
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日常の中の無限変幻
  東方変形葉32話「弟子入りの猫耳少女」

 
前書き
永琳「もう傷もふさがったみたいだし、そろそろ退院してもいいわね。驚くほど回復が早いわね。」
裕海「まあ、いろいろと変化を操って回復を促したからな。じゃあ、今日で退院かな。今日までの3日間、ありがとう。」
きらちゃん「ありがとー!」
ほたるちゃん「ありがと~!」
永琳「どういたしまして。ちゃんと鈴仙とてゐと姫様に挨拶してから帰りなさい。ああ、念のために今日は激しすぎる運動は控えること。弾幕勝負にしても、できたら控えた方がいいわね。今日1日無難に過ごすには、家でおとなしくすることをお勧めするわ。」
裕海「そうするよ。あ、扉の向こうに皆いるみたいだから挨拶して回らなくてもいいみたいだな。」
永琳「そうね。出てきなさい!もうそこで潜んでいるのはわかっているから。」
鈴仙「ばれてましたか。」
てゐ「あちゃ~。」
輝夜「えへへ~。」
裕海「みんな、今日までいろいろとありがとう。」
鈴仙「もう怪我しないでね。」
てゐ「こっちこそ、うちの兎の話し相手になってくれて助かったよ。」
輝夜「ふふん、感謝なさい!」
裕海「さて、スキマをあけてっと。じゃあな、今度は客として来るよ。」
永琳「おだいじに~。」
 

 
3日ぶりの家だ。空き巣とかは無いようで安心した。
「ふう、朝食つくるかな。2人は~・・・多分俺が倒れたところが血で汚れていると思うから、掃除しておいて。」
「は~い!」
「わかった~!」
人形たちが外に出た。
さてと、パンを焼こうとしたその時、
「きゃああああああああああっ!」
「やあああああああああああっ!」
人形たちの悲鳴が聞こえた。急いで玄関のドアを開けると、妖怪の大群が人形たちを襲っていた。なんであんなに数が多いんだよ。
「はあ、仕方ない。」

神変「建御雷命のお怒り」

あとは、“威力の変化”をいじってっと。
『『『『ぐぎぃぃぃぃいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃ!』』』』
効果抜群。
『ぐるるるるううう・・・ハアッ!』
かなりしぶとい奴がいて、こっちに大量の針を投げてきた。しかし、読んでかわすには容易かった。
ひょいひょいっと避けて、少しきついのをおみまいする。
結界を作り、その中の空気で“温度の変化”をいじって液体窒素を作り、おみまいする。単に氷結させるだけじゃあ面白くないからな。
さすがに殺しはしないため、足あたりにぶっかける。瞬間凍結により、足が一瞬で凍ってしまう。
『ぎぃやあああああああああああああああああ!!!!』
ふう、気絶したみたいだ。全員スキマ送りっと。どっかの川のど真ん中に落としておいた。
「2人とも、大丈夫?」
「うえ~ん!怖かったー!」
「怖かったよ~!」
よしよしと、人形たちをなでていると、気配を感じた。
木陰でちらっと顔をのぞかせている、猫耳と長い尻尾が目立つ少女がいた。
「・・・何か用かい?」
と、声をかけてみると目を輝かせてこういった。
「私を・・・私を弟子にしてください!」
「・・・えっ!?」
弟子?弟子だって?見た感じ、かなり幼い。10、11歳ぐらいの顔つきで、背丈も140センチあるかないかぐらいだ。。
「君の名前と種族は?」
「私は、小鳥姫雪といいます。種族は山猫という妖怪です。」
山猫・・・尻尾が長いとだけ聞いたことがあるな。だからそんなに尻尾が長いのか。多分一メートルはあるぞ?
「私、突然あの妖怪たちに襲われて手も足も出なかったんです。そこに、あの人形さんたちがやってきて、妖怪の一人が、まずはあのちっさいのから引きちぎってからお前を殺すって言って・・・」
なるほどね。そして今に至ったわけと。
「そしたらあなたが出てきて、一瞬であの妖怪たちを倒してしまわれて・・・あの強さにとても感動しました!どうか、私を鍛えてください!」
「ん~・・・そういわれてもなあ。」
どうでもいい話だけど、人間に弟子入りする妖怪ってどうなのさ。
「だ・・・だめなんでしゅか?」
うわっ!?上目遣い+涙目で言ってきた!!か、かわいすぎる・・・というか、かわいそうになってきた。
「・・・仕方がない。君の実力とかを見て判断しようかな。あ、能力は持ってるの?」
「はい、私の能力は“あらゆる矢を放つ程度の能力”です。弓さえあれば大丈夫です。」
ふ~ん、なるほど。雷の矢とか炎の矢とかをその場で作って放つのか。
「それで、肝心の弓は?」
「まだ作っていません。」
・・・ありゃま。
「まずは弓を作るところからかな。あ~、弓ってどうやって作るんだっけ。」
頑丈な木から削って作るんだっけ?固い木って何がある?栗の木とか固いけど。あ、いいこと思いついた。
「俺の友人に、弓を武器とする人がいるからその人に聞いてみるよ。」
そう、弓を持っていたのは永琳だったはずだ。
「本当ですか!?やったー!」
ぴょんぴょん跳ねて喜んだ。その姿は幼い子供を連想させた。
さて、後で頼みに行ってこようか。
「とりあえず中に入ろう。寒いだろ?」
「そ、そんなことはへくちっ!」
言わんこっちゃない。正直、俺も寒い。
「・・・では、お言葉に甘えます。」
顔を赤くしながら言った。
「・・・そういえば、あなたの名前と能力を聞いていません。」
「ああ、失礼。俺は葉川裕海。能力は、“変化を操る程度の能力”だ。」
「わたしは綺羅星人形!きらちゃんって呼んでね!能力は、再生を操るよ!物限定だけど。」
「わたしは蛍石人形!ほたるちゃんって呼んでね!能力は、域を操るよ!なかなか使い道来ないけど。」
俺に続いて人形たちも自己紹介をする。
「皆さん、よろしくです!!」
元気のいい子だな。



「それで、どういった形で鍛錬をさせてもらえるのでしょうか。」
う~ん、なんだか使い慣れていないのか、敬語なんだけど妙に違和感があるな。
「その前に、別に敬語じゃなくてもいいぞ?俺は人間だし、年も20にいってないからな。」
不老不死同然の俺がいえたことか知らないが。
「そ、そうなんだ。じゃああまり使わないようにするね。あ~、安心した。」
安堵する様子はとても可愛らしく、へにゃ~っとソファーにもたれかかっていた。
「で、鍛練方法だけど。俺が結界を張るから、その結界の中の弾幕をひたすらかわしていくんだよ。」
「なるほど~!ところで、その弾に当たったらどうなるの?」
「死ぬ」
「ええっ!?」
「嘘。まあピリッとほんの少し痛いだけ。・・・浴びすぎたらすごい痛いけど。」
まあそれでも死にはしないだろう。多分。
「私、がんばる!じゃあ早速おねがい!」
「あ、いや、昼ご飯を食べてからにしよう。」
ぐう~っと、姫雪のお腹から聞こえてきた。雪姫は真っ赤になってお腹を押さえた。
「うん、そうしよう。」



昼のメニューは、寒いのでグラタンにした。
「わあーっ!おいしい!」
「それはよかった。」
得意料理の一つだったりする。



「さて、鍛練を始めるよ。その前に、姫雪ってスペルカードを持ってる?」
「うん、今2枚あるよ。」
そーなのかー。
「じゃあ、当たりそうになったらそのスペルカードを使ってもいいこと。最初は10分間!始め!」
6畳くらいの大きさで、建物2階ぐらいの高さの結界を張る。結界は、“可視の変化”で見えるようにしているので、色つきのガラスみたいになっている。“空間の変化”で、俺が唱えたスペカが結界内で効果を発揮するようにしている。さて、スペカを唱える。

変化「須臾の乱れ」

まずは一番簡単なスペカから。
「おっと、わあっ!危ないっ!」
う~ん。読みが足りないというか、そもそも読んでいない。感覚でよけているだけみたいだ。
「弾の動きをもっとよく見るんだ!」
せめてこの程度の助言はする。
「はいっ!」
空をふわふわ飛び、しっぽを揺らしながらするりと回避している。うん、さっきより動きが良くなった。呑み込みが早い。
「よし、じゃあレベルを少し上げるよ!」

不読「風に舞う桜吹雪」

ピンクの弾幕がひらひらと舞うように飛んでいる。
「んっ!ひゃあっ!」
少々危ない気もするが、声を上げながらもよくかわせている。
「レベルアップ!」

狂変「皆既月食の紅き月」

真っ赤な弾幕が姫雪に襲い掛かる。しかし、ものの見事にかわしている。どうやら、こういう才能はあるみたいだ。言われたことを理解し、実行に移せる才能が。間違いない、この子は鍛えればどんどん強くなれる。



10分たった。一度もスペカを唱えることなく、かわして見せていた。
「よし、10分経過!休憩!」
「お茶ど~ぞ!」
「ど~ぞ!」
人形たちがお茶を入れてきてくれた。
「ありがと。ふう~」
姫雪は心地よいくつろぎの息をした。そうだ、この子のスペルカードを見てみたい。
「ね、スペルカードを俺に使ってみて。」
「えっ!?」
「俺が弾幕をかわすから、それを見て少しでも見本になれたらと思うからさ。」
「うん、わかった。じゃあ使うね。」

矢符「マシンガンアロウ」

無数の弾幕が、めちゃくちゃに飛んでくる。少し避けづらいが、この程度なら余裕でかわせる。
「すごい!このスペカで全部避けられる人なんてほとんどいなかったのに!じゃあ次!」

超兵器「インドラの矢 ~未完成~」

弓がないため、雷の矢が放てないため、それに似たてた大きな矢の弾幕が飛んでいく。模擬とはいえ、すごい威力だ。だけど読みやすい。すいすいよけていく。
「すごい!参考になったよ!」
「ああ、ありがとう。さて、もうひと頑張りしようか。」
「うん!」



2時間が過ぎた。もうへとへとのようだ。
「よし、今日はここまでにしよう。」
被弾数はたったの1。緊急回避のスペカは何回か使っていたが、それでもなかなかのものだ。
「うん!あ~、疲れた。」
雪姫は床に寝転がった。
「さてと、さっき言っていた友人に話をしてくるよ。」
「だったら、私もついていく!」
「ああ、その必要はないよ。ここで話をするから。」
「ここで~!」
「ここでね~!」
「えっ!?それってどういう・・・」
スキマを開き、永遠亭につなげる。
「あら、裕海じゃない。どうしたの?」
スキマというものにも、さらにその中から人の声が聞こえて来たので姫雪は驚いていた。
「ああ、少し頼みたいことがあるんだけど。」
「何かしら?」
一通り説明をした。
「なるほどね、この子の弓を作りたいと。いい弓はそんな素人が安々と作れる品じゃないわ。だから、私にまかせなさい。」
「うん、任すために頼んだんだけどね。」
「おねがいします!」
「なかなかかわいい子じゃない。弓は明日にはできると思うわ。」
明日!?早っ!
「よろしく頼む。」
「ええ。期待してなさい。あ、患者が来たからもうスキマは閉じて。」
足音がきこえてきたので、あわてて閉じた。横をみると、姫雪が目をキラキラと輝かせていた。
「それってなに!?そのすきまっていうそれは!」
子どものように身を乗り出して聞いてきた。
「ああ、これは“空間の変化”をいじってできるものなんだ。これでいろんなところに行けるんだよ。」
「へえ~!あなたにしか使えない技なの!?」
「いや、もう一人いるよ。その名前は――――」
その時、空間の裂け目が現れた。
「裕海~!退院おめでとう!祝い酒があるから一緒に・・・って、その子は誰?」
紫が現れた。
「ああ、紫。この子はね、かくかくしかじかなんだ。」
「えっ!?説明雑!?」
「なるほど、あなたに弟子入りしてきた、小鳥姫雪っていう子なのね。」
「そしてなんで伝わってるの!?」
姫雪のかわいらしい声のツッコミが部屋に響く。まあ、紫が一部始終をのぞいていたのはもう知っていたからこっそり紫と打ち合わせしたおいただけだけどね。
「姫雪、この人がかくかくしかじかだよ。」
「私にはその意思疎通はできないよ!」
この子、いろいろと面白い。
「で、この人がスキマを使えるもう一人の人で幻想郷の管理人である大妖怪、八雲紫。まあ、あっちのスキマは境界をいじってできるものだから俺のとは少し違うけど。」
「そ、そうなんだ。よろしくです、紫さん。」
「よろしくね。」
「さてと、・・・今日は退院祝いでここでプチ宴会をするのか?」
「ええ、そのつもりよ。霊夢と魔理沙を呼んでおいたから。今日はプチ宴会だけど、正式な宴会は明後日の博麗神社でやるからね。」
そのとき、家の前で声がした。
「裕海ー。来たわよ。」
「来てやったぜ。」
霊夢と魔理沙が来たようだ。
この後、プチ宴会で姫雪を紹介したり食ったり飲んだりして盛り上がった。



その時、どこかで誰かがこんなことを言っていた。
?「地上は楽しそうね。そろそろ異変を起こそうかしら。」
?「あの人間を、大地を操って妖怪の仕業かのようにひっかいて致命傷を負わせてみたけど、正直がっかりね。あのぐらい気が付いて避けられると思ったのだけど。大したことはないわね。」
?「まずはあの寂れた神社を倒壊させて、あの巫女を怒らせて・・・ふふっ、完璧ね。」
?「ふふふ、楽しみだわ。」



続く
 
 

 
後書き
32話です。新キャラ!小鳥姫雪が登場しました。
そろそろ異変をおこそうと思います。
 
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