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遊戯王GX 〜ずっと俺のターン!!パーミッションの力〜

作者:びーの
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エピソード4 〜欲望の果てに〜

朝、目覚まし時計のアラームで目を覚ます。そんなに朝が苦手というわけではないので、すぐに意識が覚醒する。
起きたあと、着替えや、洗顔などを淡々とこなしていき、朝食の準備に取り掛かる。
卵を二つほどボールに割り、牛乳、砂糖と一緒にかき混ぜる。そして、できた液体に厚切りに切ったパンを数枚浸しておく。そして、あとは、十分に浸して、こんがりと焼くだけでフレンチトーストの出来上がり。

「って、何料理番組らしく解説やってんだ……」
はぁ、ため息をつく。

「さて、後は浸しておくだけだからな。いい加減、しろ姉を起こしに行くか。」
基本、朝が弱いしろ姉は授業が無い日などは、起こさなければ、昼まで寝る。よって、休日はわざわざ起こしにいかなければならないのだ。

「たくっ!自分で起きろよな!」

「お〜い!しろ姉起きろ〜!」
寝ている姉の横に立つと、肩を掴んで揺らす。

「んみゅ……」
ガシッ!
「へ?おわっ!?」
寝ぼけている姉に腕を掴まれ、布団の中へと引きずり込まれ、そのまま抱き枕代わりにされる。

「ぬ、抜けれない!?」
必死に姉の拘束から逃れようとするが、思ったより姉の力が強く抜け出せない。そして、身体に腕を回され、脚を絡められ、完全にホールドされる。

「あ〜、もうだめだ。抜け出せん……」

詰んだことを悟った凛は脱出を諦め、二度寝することにする。


ーーーーーーー
「ん、うぅん……なんかいい匂い…」

匂いにつられて目を覚ますと、自分を抱き枕にして寝ていたはずの姉は居らず、リビングのほうからは香ばしい匂いがしてくる。
よろよろと立ち上がり、リビングに顔を出すとすでに寝巻きから私服へと着替えた姉が今朝、自分で準備しておいたフレンチトーストを焼いていた。

「おはよ〜、凛。よく眠れた?」
誰のせいで二度寝するハメになったんだよ。

「はわぁ、まだなんか眠い。」

「珍しいね。凛の目覚めが悪いなんて。しかも、今朝なんていつの間にか私の抱き枕になってたし。」
そんなにお姉ちゃんが恋しかった?とクスクスと笑いながら言う。

「いや、抱き枕にされていたのはしろ姉のせいだからな。しろ姉を起こそうと思ったら、急にベットに引き摺り込まれたからびっくりしたわ。」

「あはは、ごめんね。あ、もうすぐ朝ごはんの準備できるから。」

その後、ゆったりと休日の朝餉を楽しんでいたら、携帯に着信がきていた。

「へーと、なになに。」

『生徒会長が先日の件でお礼が言いたいのと、その件について会長が話しを聞きたいそうで、昼3時頃に生徒会室まで、来てくれませんか?おやつも出すそうです。
橘より』

「凛、その件って、なに?」 なんかすごい笑顔で聞いてくるけど、逆に怖い…

「え、えーと…多分、女の子がDQNな奴らに絡まれてたから、それを追っ払った時のことだと思う。」

「ふーん。けどさ〜、お礼はともかく、なんで生徒会室まで呼び出されるんだろうね〜?」

「知らないからっ!ただ、お茶したいだけじゃないの?」

「ふーん…まぁ、いいか。」
なんとか、納得してくれたみたいだ。


ーーーーーーーーーーー
時間は進んで午後3時。生徒会室に入ると人が二人。一人は橘さんだろう。ってことはもう一人は会長かな。

「おじゃまします。」

「久しぶり…なんかな?」

「私ははじめましてよね。知っていると思うけど、生徒会長の白木楓です。先日はうちの副会長がお世話になりました。」

「え?橘さんって副会長だったのか!?」

「あ、ちゃんと名乗ってなかったね♪あらためて、副会長の橘祐希です。」
この人、副会長だったのか。こんなアホそうな人が…

「凛く〜ん、なにか失礼なこと考えなかった?」
え、心読まれた!?

「イエ、ベツニ。」さっと目をそらす

「カタコトになってぞー。」

「はぁ、祐希。そろそろ本題にはいりましょうか。」
助かった!ありがとう、会長!

「祐希から聞きましたが、凛さん。とてもデュエルが強いんですよね。」
口の端を少しあげて笑う。なんかこの人も怖い…

「凛くん、すごいかったよ!一体二なのに、圧勝しちゃったんだから。」

「あの時はただ運がよかっただけだよ。」
メタポデッキ破壊で二人ともライブラリアウトにしてやっただけです。

「というわけで、私とデュエルしましょう。」
なぜに!?なんか俺したっけ?
「いや、話しの流れ的になぜデュエルをするのかわからないんですけど…」

「いや、ただ強いと聞いて個人的興味をもっただけですよ。ふふっ」
ふふっ、とか言ってるし。絶対なんか企んでそうだよ。

なんかもう怖いから逃げようと思ってたら、すでに橘さんが後ろに立って、逃げられませんでした。

「か、会長。なんで突然デュエルを…なんか企んでないですか?」

「心外な!ただの興味ですってば。一回デュエルしてくれるだけでいいので。」
こうなったら、ヤケクソだな…

「「デュエル!」」

「先行はもらいます!ドロー。手札からバルバロスの攻撃力を下げて妥協召喚。さらに、手札から『二重召喚』を発動して、もう一体のバルバロスを妥協召喚します。そして、カードを二枚セットしてターンエンドです。」
獣神王バルバロス ☆8 ATK1900

スキドレバルバだろうな。ってことは一枚はスキドレだな

「ドロー。『次元の裂け目』を発動。これで墓地に行くモンスターたちは除外される。さらにモンスターを裏守備でセット。カードを二枚セットしてエンド。」

「さすがにこのメンツには手も足も出ないようですね。では、ガンガン行かせてもらいます。私のターン、ドロー。ライフを1000ポイント払って『スキルドレイン』を発動!それで、バルバロスの効果は無効化され、攻撃力は3000に戻ります。
やれ!バルバロス!」

裏守備モンスターは『異次元の偵察機』。こいつの効果は除外された先で発動するからスキドレの効果は受けない。

「2体目のバルバロスでダイレクトアタック!」

「させるか!トラップ発動『ガードブロック』ダメージを0にして、一枚ドロー。」

「く、防がれましたか。ターンエンドです。」
ダメージが通らず、少し悔しそうな表情をする会長。だけど、これで、終わるわけがないよね。
「このターンのエンドフェイズ時、除外されている、偵察機が場に特殊召喚される。さらに、速攻魔法『地獄の暴走召喚』発動!偵察機をデッキから二体特殊召喚します。」
異次元の偵察機 ☆3 ATK800

「じゃあ、私はデッキから最後のバルバロスを出すわ。」

さて、駒は揃ったか。

「ドロー。手札から『ブラックホール』を発動します。」

これで、場のカードは一掃。バルバは封印っと。
「カードを一枚セットして、エンドだ。そして、このエンドフェイズに偵察機3体が特殊召喚される。」

「く、私のバルバロスは封じられたようですね…だが、まだです。ガンナードラゴンを妥協召喚!さらにスキルドレインによって、効果が無効化されるので、攻撃力は元々の数値に戻ります。」
ガンナードラゴン ☆7ATK1400→2800

「バトルです。ガンナードラゴンで異次元からの偵察機を攻撃!」

「『ガードブロック』を発動して、ダメージを無効化に。さらに一枚ドロー。」

「く、なかなかダメージが通りませんね。けど、守ってばかりじゃ勝てませんよ。」
ダメージ与えられなきゃ、勝てないけどね

「ドロー。『サイクロン』を発動して、スキドレを破壊。さらに『クロスソウル』を発動。ガンナードラゴンを生贄に『光帝クライス』をアドバイス召喚!」


「あ、アドバンス…なんですか?」
やばっ、まだアドバンス召喚とかないんだったよ!?しまった…。

「さ、さぁ。まぁ、つづけるぞ。」

「まぁ、いいでしょう。どうぞ」
ごまかせた!
「クライスの召喚成功時の効果で偵察機一体と会長の伏せカード一枚を破壊します。さらにこの効果で破壊されたカードのプレイヤーは破壊された枚数分ドローできます。というわけで、一枚ドロー。」
これで、会長の場はガラ空きだな。

「このターン、クロスソウルのデメリット効果でバトルフェイズを行えないので、カードを一枚セットしてエンドだ。」

光帝クライス ☆6 ATK2400

「ここが正念場ですね。いきます!ドロー。」
ドローしたカードを見た瞬間、会長の表情が勝ち誇った表情に変わった。おそらく、エースカードでも引いたんだろうな。

「手札の『神機王ウル』と『ジェネティック・ワーウルフ』を除外して、いでよ!私のエースモンスター!『獣神機王バルバロスUr』!」

獣神機王バルバロスUr ☆8 ATK3800

うわぁ、このカードを引いたのかよ。どんだけチートドロー……

「凛君がドローさせてくれたおかげですね。バルバロスUrでクライスに攻撃!《トルネード・シェイパー》!」

「バルバロスUrは戦闘での相手プレイヤーへのダメージは0になるから、いくら攻撃しても無駄だ。」

「そうですね。しかし、この攻撃力をそう簡単に突破はできないでしょう。」

「いきます、会長!このターンで決めますよ!」

「やってみなさい!」

「ドロー。デッキトップを墓地に送り、『アームズ・ホール』を発動し、『女神の聖剣ーエアトス』を手札に加えます。」

「しかし、そのカードを発動したら、通常召喚は行えませんよ。」

「必要ない。自分の墓地にモンスターが存在しないので、こいつの特殊召喚が可能になる。来い!『ガーディアン・エアトス』!」

『私、初登場!』
アホっぽい…

ガーディアン・エアトス ☆8 ATK2500

「はぁ、それでは私のエースは倒せませんよ。」
がっかりだと肩を落とす会長
言われてるぞ〜、エアトス。

『なんですか!?あの人は!私の持つ効果も知らないくせして〜!』

「エアトスに『女神の聖剣ーエアトス』を装備させる。そして、エアトスの効果発動。聖剣ーエアトスを墓地に送り、会長の墓地のカード3枚を除外し、その枚数×500アップする!!《聖剣のソウル》!」
エアトスの持つ剣が聖なる光を纏っていく。

エアトス ATK2500→4000

「な、なに!私のバルバロスの攻撃力を上回った!?」

「エアトスでバルバロスUrを攻撃!『精霊のオペラ』」

『はぁぁぁあ!』
エアトスが持つ聖剣から光線が放たれ、光がバルバロスの巨体を焼き尽くす。

なんというか、技名持ちのモンスターの攻撃って派手だよなー。

「ついでに偵察機3体でダイレクトアタック。《ディメンション・レーザー》」
目玉機械からの三本のレーザーが会長を貫く

「くうぅぅう」

会長LIFE 3000→400

あぁ、微妙に残ったか……

『残りましたね。このターンで決めるとか言ってたのに…』

イラっ

「手札から『エクトプラズマー』を発動。」

『え?ちょっと!?まさか!!』

「エアトスを生贄にして、その元々の攻撃力の半分の数値の効果ダメージを与える。」

『そ、そんな〜!やっぱり〜』

逝ってこい!グッドラック!

「『きゃぁぁぁぁぁ』」

会長LIFE 400→-850

「さ、最後のはいらなかったんじゃ…」

「気分。」

「まさか、1ダメージも与えられずにやられてしまうとは……」
よろよろと会長が立ち上がってくる。ちょっとやり過ぎたかな?

「ふふふ、やはり……私の…ふふふふふ」
やばっ!吹っ飛ばした時に頭ぶつけた!?

会長もとい楓さんの目が獲物を見つけたときの獣の目になってる!?

「凛くん。私はあなたのように強い人を探していたのよ。だから、私のモノになりませんか…」
そんな事を言いながら、ジリジリと詰め寄ってくる。

ものすごく嫌な予感しかしない…

「どーゆーことですか…会長…」

「言葉の意味そのまんまですよ。あと、会長ではなく、楓と名前で呼んでください!」

「っはい!か、楓さん。」

「よろしい。で、返事は?」

「あなたのものになれとか言われても、そんなのになる気は毛頭ない!」

「ふふ、そう簡単になってくれても面白いないですしね。ふふふ、力ずくでも私のものにしてあげるわよ。」
ジリジリと近寄ってくる。威圧感がハンパない
そして、ついに背中が壁についてしまう。
に、逃げられない!?

「さぁ、私のモノに「なにやってんですかぁぁぁぁぁ!」っち…」

風香が危機一髪のところで会長との間への割り込みに成功する。

「あなたは誰ですか!いきなり入ってきて!」

「私は凛君の彼女です!そもそも会長だって、男の子に詰め寄ってなにしようとしてるんですか!」

「くっ…凛さんに…彼女がいたとは。」
お、諦めてくれるのか?
「ふふ、略奪愛ですか…そそりますね。上等です!」

「私もですよ!簡単に彼氏を奪われたらたまったものじゃないです!」

バチバチと二人が火花を散らしている。

「はいはーい!私もその戦い、参加しまーす!」
ゆうかぁ!?なに言ってんの!火に油を注ぐなよ!

「ほぅ、敵が一人増えたところどうってことありませんよ!それがたとえ副会長の裕香でもね。」
「私もですよ。二人なんかに凛君を奪わせませんよ。」
裕香の介入で場がさらに混沌としてきた。
ん?まてよ今なら、俺に注意が向いてないから逃げれる!

そして、そそくさとその場を後にした。あの三人がどうなったかなんて知らない。むしろ知りたくない。

 
 

 
後書き
オリキャラ二人追加です!
名前:白木楓
性別:女
使用デッキ:スキドレバルバ
特徴:黒髪長髪でしっかり者。男子女子共々人気が高い。白木財閥のご令嬢であるが意外とパワー思考の持ち主で力ずくでなんとかしようとする時もある。

今回、 
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